第4回 MIAU勉強会「インターネット標準(RFC)から見た新常用漢字表の矛盾」

第4回を迎えるMIAU勉強会のテーマは、「インターネット標準(RFC)から見た新常用漢字表の矛盾」です。Googleと絵文字、Unicodeの意外な関係を詳説するCNETのコラム、『絵文字が開いてしまった「パンドラの箱」』が広く好評を博している文字政策の専門家、小形克宏氏をお招きし、文字コードというものの政治性、情報通信技術と政治的な活動との相互作用などについてご講演をいただきます。

概要

テーマ

2010年2月の最終答申を目指して新常用漢字表(仮称)の審議が進行中です。今年3月に試案が公表、同時におこなわれたパブリックコメントで寄せられた意見をもとに、ただ今最終審議がおこなわれている段階です。

最近少しずつ報道されるようになってきましたが、ここでの最大の論点の一つは漢字表の中で複数の字体が並立していることです。たとえば旧来からの常用漢字「道、進」などは一点しんにょうでしたが、追加される字体「遜、遡、謎」は二点しんにょうです。

試案では、これら二点しんにょうの字体は、あくまで明朝体など印刷字体における違いであり、手書きの場合には一点しんにょうで書くべきであることが明示されていますが、こうした字体の不統一が漢字を学ぶ子供たちや外国人に不利益をもたらすことを懸念する声は消えません。

では、そうした懸念に応えて「遜、遡、謎」も一点しんにょうにしたら、インターネット標準(RFC)はどうなるのか? 結論からいえば、おそらく国際化ドメイン名を始め、複数のインターネット標準でこれらの新常用漢字が使えないことになると思われます。試案では二点しんにょうを採用した理由の一つとして、JIS文字コードとの整合性を挙げていますが、じつはRFCとの整合性の上でも一点しんにょうを採用することは不可能なのです。

どうしてこのような矛盾が発生したのでしょう? 政策とは、良くも悪くも人々の行動を規制してしまう近代国家の大鉈です。そして、文字と政策は極めて密接な関係にあり、情報通信技術を用いて文字を使う際には、ほぼ不可分であるといわざるを得ません。今回は新常用漢字表の審議を題材に、ローカルな言語政策が国際的な規格からどのような影響を受け、あるいは影響を及ぼすのか、また両者の関係はどのようにあるべきかを考えてみたいと思います。

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著作者 : 中川 譲
最終更新日 : 2009-07-02 20:45:50