「大感謝祭」キャンペーンのお知らせ

Super-Express your gratitude for the person who help your soul.
MIAUの「大感謝祭」キャンペーンのお知らせ
MIAU Thanksgivig Day

皆さま、パブリックコメントの提出ありがとうございました。皆さまの声が私たちの政府の耳に届き、私たちの幸福が少しでも大きなものになりますよう。私たちMIAUも、皆さまの声をより政策に反映させられるよう、これからもささやかながら努力していくつもりです。

さて、いわゆる権利者と呼ばれる団体や個人の皆さんの中には、MIAUを敵対勢力、戦闘的勢力と誤解している人たちがいるようです。彼らにとってみれば、自分達の当然の権利であり利益であるものを、MIAUの主張が侵害しているものと思っているようなのです。さらに、そうした人たちの中には、MIAUが違法行為を容認し促進しているとまで誹謗する人がいるようです。残念なことです。

私たちは、インターネット時代の情報流通のあり方の現実と本質から判断して、ダウンロード行為そのものを著作権の侵害行為とすることは、直接的には、(a) 創作者の正当な利益を守るための手段としては的外れであり、さらに、(b) あまりにも多くの一般のネットワークユーザーを違法状態に追い込むことになる愚策であると主張しています。さらにその愚策は、長期的には、(c) 創作者本人の創作活動の自由や便宜を侵害するとともに、(d) 法に対する私たちの信頼と法に従う気持ちを失わせてしまうと主張しているのです。MIAU発起人の一人である白田秀彰准教授が『ほんとうの創作者利益について』でも表明しましたように、創作者がより自由に安心して創作活動を実践できる環境を整備するお手伝いをしたいと願っています。

さて、そうしたMIAUの次のキャンペーンは、MIAUの「大感謝祭」です。

12月24日夜から25日にかけて、「クリスマス」という良く知られた行事があります。一般にはキリスト教の行事で、イエス・キリストの誕生日を祝う行事ということになっています。が、もちろん、イエスの正確な生誕年月日が明らかなはずもなく、その12月25日という日は、キリスト教が欧州に普及する以前から存在していた、欧州諸民族の冬の祭り、すなわち「死」の象徴である冬が極まったとき、「世界の再生」を願う祭りが原型であるといわれています。人々は、冬でも緑を失わない常緑樹を生命力と永遠の象徴とし称え、仲間達と飲食を共にし、これからまだ続く厳しい冬を乗り越える力を蓄えるのです。後に、キリスト教の祭礼として取り入れられ、教会でミサなどが行われていることは、皆さんの良く知るところです。

本来、家族とともに過ぎた一年を振り返り、愛と感謝を交し合い、新たな一年への備えをする日であり、私たちの救済者であるとされるイエス・キリストがこの世に顕れたことを、ミサに出席して祝う日であります。私はクリスチャンではありませんからミサに出席したことはありません。しかし、世界の多くの人々が、このキリスト教によるクリスマスを受け入れて祝っていることは、あきらかなことです。さて、そうした本質をもつクリスマスに、私たちはどのように振舞っているでしょうか?

高度成長期あたりから、クリスマスにサラリーマンのお父さん達が、呑めや歌えの宴会をしていたことは良く知られていることです。現在でも、夜の飲食店では、オジサンたちとお姐さんたちのクリスマス・パーティが広く行われています。

70年代あたりから、クリスマスは、年末商戦の一つに位置付けられて、デパートで商店街で特売と連動して宣伝されるようになりました。クリスマスにつき物の「ケーキ」や「鶏のもも肉」などを売るお店は、一心に宣伝するようになりました。クリスマスにプレゼントを交換する習慣があるとされたことに便乗して、高額なブランド品や宝石を売る業界も宣伝を強化するようになりました。そうして、ごらんなさい。12月にもなれば、あのシャンシャンシャンというベルの音や、あの お決まりの楽曲が町を埋め尽くすのです。

80年代あたりから若者達が、クリスマスに意中の異性と旅行や泊りのデートをするようになったことも良く知られていることです。松任谷由実さんの名曲『恋人がサンタクロース』や、山下達郎さんの名曲『クリスマス・イヴ』などがクリスマス気分を盛り上げるようになったのも、この頃からですね。スキー場で、ホテルで、飲食店で、マンションの部屋で、一斉に愛が交わされる日になったのです。え...愛?

これらのどこがイエスの唱える「愛」の実践なのでしょう(笑。

単なる欲望じゃないか。

きっとイエスは、淋しき者を癒し、孤独な者に救いを与えることを「愛」と説くでしょう。どうしてクリスマスは、淋しき者や孤独な者を疎外し苦しめる日となってしまったのでしょうか。私は、きっとそこに誰かの商業的利益に動機付けられた倒錯があったものと考えます。

インターネットのユーザーには、淋しい人孤独な人が多いように思います。アプリケーションの開発において、MIDIでの作曲において、動画編集において、どうしても私たちは人付き合いが疎かになってしまいがちです。私は、そうした「何かに打ち込んだため何かを失った人たち」をたくさん知っています。偉大な ──いや些細なものであっても──創作や知的成果の影には、そうしたやむにやまれぬ衝動に突き動かされた人々の「命を削る献身」があるのです。

これから12月25日まで、今年一年を振り返り、あなたの淋しさを慰めた人、あなたの魂を救った人に感謝を伝えてみませんか?あなたの作業を助けたソフトウェア、あなたの慰めになったサービス、あなたを笑わせた動画、あなたを涙ぐませた音楽、あなたを救ったテキスト、それらあなたの魂を支えた人たちに感謝を伝えてみませんか?

企業ではなく開発者、会社ではなく創作者。あなたの感謝を捧げるべき人は誰なのでしょう。その人のことをあなたが感謝の気持ちとともに考えるだけで、その人の慰めとなるでしょう。あなたのその気持ちをブログで、掲示板で、電子メールで表明してみませんか?

もし、その人がその感謝の一文を読んだときに、どれほど勇気付けられるかしれません。もし、その人が誰だかわかるのなら、感謝の気持ちをプレゼントや寄付であらわしてみたらどうでしょう。淋しく24日を迎えているかもしれないその人に、いくらかでも暖かい部屋や豊かな食事を振舞うことができるかもしれません。

インターネットでは、著作権侵害が横行していると言われます。インターネット利用者は一般的に、著作権者から利益を奪う泥棒か強盗のように言われます。でもそれは、私たち一般のインターネット利用者が、創作者本人に感謝を伝え、経済的に支援する合理的で効果的な手段をもっていないからに過ぎない、と MIAUは考えています。いわゆる権利者団体の人たちは「自分達が存在して金銭を仲介しないと、私たちの感謝の気持ちや善意の対価が創作者に渡らない」 と主張します。ほんとうにそうでしょうか。私たち自身の力で、私たちは創作者を直接に支援できるのではないでしょうか。そうすることが、本当の意味での創作者の支援になるのではないでしょうか。

MIAUは、そう考えて12月25日までを「大感謝祭」と位置付け、「なんとかして私たち利用者の感謝と愛を創作者の皆さんへ伝える日」としてしまいたいと思います。私たちで助け合いながら感謝を伝えるもっともよい方法を考えてみませんか? どうすれば、感謝の気持ちを伝えられるか工夫してみませんか?皆さんの知恵を貸してください。みなさんの工夫をみせてください。

12/7追記: 感謝の気持ちを綴ったページの具体例を作成してみましたので、参考にしてください。

12/11追記: MIAU大感謝祭に関するまとめwikiである「クリエイターへ感謝を。」を作成いたしました。感謝祭に参加しているサイトへのリンク集や、直接的に感謝するためにはどうしたらいいかを考え、資料を集めていく予定です。皆様に協力していただければ幸いです。

著作者 : MIAU
最終更新日 : 2007-12-11 23:43:59

MIAU 設立発表会講演録(3)

設立記者発表会 閉会のあいさつ
Movements for Internet Active Users 発起人 中川譲(映画専門大学院大学助教)

映画大学院大学は、映画のプロデューサーを育てる学校です。 皆さんご存じかどうかわからないのですが、映画産業というのは実はすごく小さい産業なんです。どれぐらい小さいかというと、劇場での年間の売り上げは2,000億円しかありません。2,000億円がどれくらい小さいかというと、準大手の製薬会社1社ぐらいで軽々と超えかねないぐらいの、それくらいの小さい規模です。

さらにせつないのは、映画の興行収入のトップ10みたいな作品は、上位5%ぐらいなのですが、その辺の映画作品が売り上げ全体の5割以上を占めてしまうという、頭の痛い感じの構造になっています。毎年だいたい日本だと、200本ぐらいの映画が作られるのですが、トップ10の残り95%ぐらいはあまり知られることもなく、あまり儲かることもなく、いつのまにか消えてしまうという末路をたどっていく感じです。

ちょっとおもしろいのは、劇場の収入は2,000億円なのですが、劇場以外のビデオ、DVD、インターネットでのペイ・パー・ビューみたいなものだと、実は4,000億円ぐらいありまして、そちらのほうが多く売れていたりします。

映画産業というのは、旧態依然とした形をずっと守っているとどんどん死んでいくということを知っていながらあまり変わっていないという、とても悲しい構造をずっと引きずっています。

こうした構造は実は映画だけのものではなくて、ゲームやアニメーションも、産業の規模は、統計の数値を見ていただくとわかるのですが、結構小さいもので、また上位ほとんど何かが独占しているという構図になっていたりします。

そういういろいろすべてのコンテンツまたはロングテールという言葉を皆さんご存じかもしれないですが、ほとんどのコンテンツは同じような構造になっています。そういう同じような構造を持ったコンテンツを、幅広くコンテンツの創造、保護、活用を促進するという法律が2004年にできていて、「コンテンツ産業の振興」などという言葉も盛んに耳にするようになったんですけども……。

しかし、「それって具体的にどういうことなの?」という話になった時に、先ほどの映画の話で言えば、売り上げの5割ぐらいを持っていってしまうようなトップ10の作品をばんばん売り出して世界に持っていくという話なのか、それとも残りの95%ぐらいに光を当ててみて何か違うことを探してみようというアプローチなのか、そのどちらなのだろうか、というのが私の率直な疑問です。

皆さん想像がつくと思いますが、実験的な表現や新しい才能というのは、95%のよくわからない、誰にも知られないようなところから生まれてきて……まあ、多くは生まれないで死んでしまったりするのですけれど。でも、そうした混沌があることというのは、コンテンツ産業においてとても重要なのです。その混沌があることを支えるのが、新しい技術だと思うのです。

インターネットのおかげで、映画は多分新しい技術、特に配給などの新しいフィールドを持つことができました。インターネットが、残りの95%のよくわからない有象無象の混沌のようなものが元気に存在していける場になればいいなと、インターネットがその助けをしてくれればいいなと願っています。

われわれの団体も、よくわからない混沌が元気になっていけるような何かの一助ができていけたらいいな、そういうふうに考えております。



本稿については、Tatsuki Sugiuraさんにご尽力いただきました。誠にありがとうございます。

このテキストはMIAUの映像からの派生物です。よって映像のライセンスに準じて、Creative Commons3.0 by-nc ライセンスが適用されます。

著作者 : 中川 譲
最終更新日 : 2007-11-23 20:18:33

MIAU 設立発表会講演録(2)

設立記者発表会講演 「ネットユーザーとデジタルコンテンツ、未来への課題」
Movements for Internet Active Users 発起人 小寺信良(AV機器評論家、コラムニスト)

私の講演では「ネットユーザーとデジタルコンテンツ 未来への課題」と題しまして、近年注目を集めている著作権関係の課題、それからネット社会と現実社会の関係について、述べさせていただきたいと思います。

先ほど津田からご説明させていただきましたが、われわれの当面のミッションとして、以下の3つに反対するということを掲げております。

     
  1. 違法サイトからのコンテンツダウンロード違法化
  2.  
  3. コピーワンスおよびダビング10技術の採用
  4.  
  5. 著作権の保護期間延長

この中で最も差し迫った問題であります1番目、われわれの最初のミッションともなるわけですが、「違法サイトからのコンテンツダウンロード違法化」に関してご説明申し上げます。

この法案は、そもそも違法サイトという前提があって、そこからダウンロードすることを違法化するということですので、一見何の問題もないように思えるわけですが、実際には、「情を知って」といった文面の解釈の問題、あるいは罰則がないなどの点から、現状と変わらないのではないかという意見も一部にはあります。しかし、何を持ってして「情を知って」ということが言えるのか、あるいは言えないのかということに関しましては、それを消費者の個人個人が判断していくことは非常に難しいわけです。

例えば、今後何らかのキーワードを入力して、それで動画を検索して自動でダウンロードするといったようなツールが登場した場合を考えてみます。この場合は、そのツールがどこから何をダウンロードするのかといった、自動的な動作をユーザー自体が制御することはできないわけです。つまり、ユーザーが入力したキーワードに違法性を問うということになりかねないので、それは通信の機密性を著しく損なうことになるわけです。

また、現在は音楽と映像だけが問題になっていますが、当然、デジタル化されたコンテンツはそれだけではないわけです。例えば、テキスト、書籍のようなものはどうか、あるいは写真はどうかといった具合に、この制限は確実に波及していきます。そして、一度課せられた制限は、たとえその問題が解決したとしても、撤廃されることはないわけです。

これは、将来登場するであろう情報コンテンツサービスに対しても大きな足かせになるであろうと考えられます。現在でも、ほかの先進諸国でスタートしている合法的なサービスが、日本でのみ始まらない、といった事例も出てきています。

この制限法では、このような国際的サービス格差を助長するもので、日本がよりサービス後進国へ陥ってしまう要因ともなるわけです。このようなあり方は、そもそもコンテンツ立国をするのだという具合に政策を転換した日本の政治の方向性と、全く相いれないものです。

ここまでは非常にまっとうな、ある意味、正論の反対意見を述べたわけですが、ここで私見を述べさせていただければと思います。

補償金問題、そもそもということを考えてみますと、まず05年に設置された「文化審議会 著作権分科会法制問題小委員会」というものがありまして、そこにiPodをはじめとする、固定メディア型の音楽プレイヤー、ハードディスクビデオレコーダー、パソコンのハードディスクといったものにも、録画補償金・録音補償金を対象とすべきという意見が提出されたわけです。

そこで、その是非がこの委員会で議論された結果、結論はどうなったかというと、補償金制度の廃止を含めて議論をすべき、という結論が出たのです。その補償金問題を専門に議論する委員会として、06年に「著作権分科会私的録音録画小委員会」が招集されたわけです。そもそもこの小委員会の目的は、補償金の徴収方法や対象機器の範囲などを考えることでした。しかし、この小委員会が1年数カ月の間、議論して出した結果が、ダウンロードの違法化、すなわち著作権法30条の改正です。

では、肝心の補償金の範囲や、廃止するのをどうしようかというような話は、実は来年度に先送りなのです。つまり、観察的にこの状況を見れば、インプットされた命題に対して、出てきたアウトプットが全然かみ合っていないわけです。

これは、ものすごく単純な例に置き換えてみるとよくわかります。普通は、ある程度のアウトプット範囲を予測してシステム設計をします。これは、機械的なシステムでも人的なシステムでも同じことだと思いますが、音を大きくしようという回路を作ったとします。そこに対して音を入力します。そして出てきた結果が、蛇口からほかほかご飯がにゅるにゅる出てくるような、機械装置ができたとします。それはどう考えても、設計を間違えたと思いますよね。これと全く同じことだと思うのです。

アウトプットを誘導された方が世の中にいらっしゃるわけです。そうすると、会議の経緯を読めとおっしゃると思うのです。しかし、現時点で、会議の議事録は、平成19年第11回目以降はまだ公開されていません。この回は全部で13回ありますので、11回、12回、13回と非常に大事な、この結論に至った回の議事録が公開されていない状況です。ですから、なぜこのようなウルトラCみたいな着地点に至ったのかという経緯が、委員会の外の人間には全く把握できていないというわけです。 したがって、これは全くの私見ですが、そもそもこの委員会自体の回路設計(人選)が間違っていると。ですから、アウトプットした結論は無効なのではないかと、個人的には考えるわけです。

最後に、この会の基本的な立ち位置について、若干のご説明をさせていただければと思います。

われわれは、権利者、メーカー、放送事業者などと敵対するための組織ではありません。これらの方々が潜在的にお持ちの、加速していくITテクノロジーへの恐怖感や不信感といったものを取り除きまして、消費者とデジタルコンテンツの供給者との間にWin-Winの関係をもたらすべく活動していく、ということを基本にしています。

もし仮に何か戦う相手があるとするならば、それは、「悪法も法」というような思想です。現在のコンテンツ市場が陥りつつある「ルールは決めた者勝ち」というあり方に対して、異を唱えるものであります。

また、われわれ自身はインターネットユーザーを代表するというものでもありません。われわれは、これまでマスメディアが積極的に取り上げることができなかった、インターネットの底に沈んでいるインターネットユーザーの意見を吸い上げて、実社会に向けてアウトプットしていくという組織です。

これまで、なぜネットユーザーの意見が実社会に反映されていかなかったかと言えば、それは大多数のユーザーが、「アノニマス」と言いますが、すなわち特定のアイデンティティーを持たない状況で活動しているからです。つまり、どこの誰ともわからない、どういう立場でしゃべっているのかもわからない、ましてや実数も正確には把握できない、というような日本特有のネット社会があるのですが、その総意をはかることが、ネットの外側にいる人間には非常に難しいわけです。

では、例えば、隣国の韓国のように、すべてのネット利用が国民番号のようなものを入力して、確実にアイデンティティーがなければネットで活動できないというような社会のほうがいいかというと、それはそれで、またいいことばかりでももちろんないわけです。

国民性の違いもありますし、現在、匿名でいたいという人たちの意向も、もちろん尊重しなければならないわけです。しかし、現在の日本の社会は、実体のある、名前のある形あるいは組織でなければ、実社会に対して影響を与えることができないという構造になっています。

そこでわれわれは、ITの技術を使いつつ、ネット社会の中に存在する消費者の総意をまとめ、そして、ネット社会と実社会をつなぐための活動を行ってまいりたいと思っております。



本稿については、Tatsuki Sugiuraさんにご尽力いただきました。誠にありがとうございます。

このテキストはMIAUの映像からの派生物です。よって映像のライセンスに準じて、Creative Commons3.0 by-nc ライセンスが適用されます。

著作者 : MIAU
最終更新日 : 2007-11-21 15:38:08

文化庁にてパブコメ提出完了!

文化庁にて、パブコメを提出
「文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会中間整理」についての意見募集締切日である昨日11月15日、MIAUは文化庁著作権課に訪問し、直接手渡しにてパブリックコメントを提出いたしました。

お話をうかがったところ、文化庁には、かつてない程の数のパブリックコメントが届いており、これからの法案策定の上で仔細な検討が行われるとのことです。これも、皆様のお力によるものです。

ご支援、ご協力のほど、誠にありがとうございました。

著作者 : MIAU
最終更新日 : 2007-11-16 10:03:47

パブリックコメント締切まであと1日!

パブリックコメントの締切(11月15日!)まで、あと1日となりました。
  既に多くの方に意見書を提出していただいているようですが、まだ出していないけど、出そうと考えている方は、是非締切までに出していただければと思います。

さて、パブリックコメントに意見書を出しても無駄だという意見をウェブ上で結構みかけます。
  これに対する反論になりそうな記事を、クロサカタツヤさんが書いてくださっていましたのでご紹介いたします。

 クロサカタツヤ「パブコメのすすめ」 (クロサカタツヤの情報通信インサイト

どのような意見書が効果的かも含めて書いてくださっているので、是非お読みいただければと思います。
  既に意見書を出していただいている方にも、一見の価値はあると思います。

なお、簡単にパブコメを書いて出したいという場合には、発起人の榎本らによって開発された、「パブコメ・ジェネレータ」をご利用いただければと思います。

みなさま、よろしくお願いいたします。

著作者 : 真紀奈
最終更新日 : 2007-11-14 17:51:10

パブコメ最終案とパブコメ・ジェネレータの公開について

文化庁のパブリックコメント締切まで、あと1週間を切りました。

本日、MIAU開発プロジェクトにて進められておりました「パブコメジェネレータ」を、ベータ版ではありますが、公開いたします。これは、用意された簡単な質問に答えるだけで、パブリックコメントに意見として出すことをお薦めする意見の概要を、自動的に作成するものです。どうぞご活用下さい。

  • PC用 (Javascriptが有効である必要があります): http://dev2007.miau.jp/public-comment-generator.html
  • 携帯電話用:http://kanso.bz/m001.aspx (11/13追記: 最後にメールが送られますので、メール受信フィルタを設定されている方は、以下の条件で送信されるメールを受信出来るようにして下さい。from: keiyaku@bunka.go.jp / 送信ドメイン: nifty.com)

これらについてのフィードバックは、当会の榎本までお願いします。

また、以下に、MIAU名義で提出する予定のパブリックコメント最終案を公開いたします。ネット上で見られたご意見を反映し、さらに適法サイトからのダウンロードと補償金についての言及を追加しました。ご参考下さい。

  1. 個人/団体の別:団体
  2. 団体名:インターネット先進ユーザーの会 (MIAU) (代表者: xxx)
  3. 住所:(略)
  4. 連絡先:info@miau.jp
  5. 該当ページおよび項目名:以下小見出しに表記。全9件
  6. 意見:5に準ずる

私たちが意見を述べるのは、以下の9件です。

  1. 104ページの「第30条の適用範囲からの除外」の項目
  2. 105ページの「第30条の適用範囲から除外する場合の条件」の項目
  3. 59ページの「ファイル交換ソフトを利用した私的録音録画の現状について」 の項目
  4. 71ページの「違法な携帯電話向け音楽配信からの私的録音の現状」の項目
  5. 104ページの「検討結果」の項目
  6. 108ページの「i. 第30条の適用範囲からの除外」の項目
  7. 108ページの「ii. 第30条の適用範囲から除外する場合の条件」
  8. 116ページ~119ページの「第3節 補償の必要性について 3.補償の必要性の有無」の項目
  9. 123ページ~125ページ「第4節 補償措置の方法について」の項目

以下、各項目毎に意見を述べさせていただきます。

■104ページの「第30条の適用範囲からの除外」の項目

※この項目について私たちは反対の意見を提出いたします。理由は下記の通りです。

○ストリーミングとダウンロードの区別は曖昧になっている

YouTubeやニコニコ動画という特定のサービスは、動画がストリーミングで提供され、ダウンロードするものではありませんので、今回の報告書では、違法化の対象外であるとされています。しかし、ダウンロード形式で動画を共有するサイトにとっては今回の「違法化」は問題になりえます。ストリーミング技術を実装するRealPlayerには、その新しいバージョンで、ダウンロード再生を可能にする機能が追加されています。 このように、昨今のブロードバンド インターネット環境において、ストリーミングとダウンロードは技術的に根本的な違いがあるわけではなく、両者を法律的に大きく意味の異なるものとして扱うと、むしろ、Webサービスを支える技術的な選択の幅を、不必要に狭めることにもなります。

さらに言うならば、YouTubeやニコニコ動画も、キャッシュという形でダウンロードはされているわけで、そのようなファイルをハードディスクの別の場所に移動すれば、立派なダウンロードと見られてしまいかねません。同じサービスでも利用態様によって、異なる判断になる可能性があるわけです。

また、YouTubeが相当数の著作権侵害ファイルを公開しているということになると、YouTubeのビデオダウンローダーを開発する行為が、Winnyの開発と同様、違法ダウンロードの幇助として民事上の共同不法行為者とされてしまうおそれもあります。今回は含まれていませんが、刑事罰が導入されたら、Winny事件のように、著作権侵害罪の共犯とも見なされる可能性もあるでしょう。

そもそも、YouTubeのような疑似ストリーミングでダウンロードされたキャッシュが複製扱いされるか否かについては、専門家の間でも争いがあり、ストリーミングは今回の議論の対象ではないとする立場は判例と矛盾するという指摘もある以上、一般ネットユーザーの法的地位は甚だ不安定なものとなり、やはり合法的なダウンロード行為が萎縮させられることになります。

先にも取り上げた裁判官の判断の問題もあります。映画の保護期間延長に関して、文化庁が言っていたことを、裁判所がひっくり返したということがありました。そのような事例を考えると、法文にストリーミングは対象外と明記されない限り、やはりストリーミングも違法と判断される可能性があるでしょう。

これでは、せっかくユーザー生成コンテンツ(UGC)が伸びてこようとしている状況を、破壊してしまうことになりかねません。

○国際的な法規制の不整合

また、国際的な法制度の整合性を考慮しなければなりません。その意味では、インターネットというものはそもそもグローバルなものであり、さらに権利制限というものは国によって異なっているものであるため、コンテンツがどの国の著作権法に違反していたらアウトとなるのか、ユーザーには容易に判断することができません。プロバイダ免責の違いも問題となります。たとえば、米国サイトがDMCA免責を満たしており米国では合法であれば良いのか、そのようなコンテンツが日本の基準に照らして違法と判断されたりしないのか、といったことがまずもって議論されていません。

○通信の秘密の侵害に繋がる

ダウンロード違法化に実効性をもたせようとすると、「合法的な」ダウンロードの際に、受信者情報をどのように確実に入手するか、という問題が生じてくることでしょう。その結果として、ダウンロード者のトラッキングについて法制化(例えば、プロバイダ責任制限法改正による受信者開示制度の創設)を求める動きにつながる可能性がありますが、それでは通信の秘密が侵害されることにもなりかねません。

○学問・研究・報道が制限される

日本にはフェアユース規定が存在せず、列挙されている権利制限も多くないため、調査研究目的で「違法サイト」にアクセスする行為すらも、違法と評価される可能性があります。ここでで問題にしているのは、商業的コンテンツ調査研究の入手手段として正規手段によらず違法サイト上の侵害コンテンツを用いるような場合ではなく、権利侵害を伴う二次著作物の調査研究や、あるいは「違法サイト」それ自体を調査研究の対象としている場合です。

そもそも、このような目的でアクセスするさいに付随する複製は従来から私的使用のための複製ではないと評価されうる領域です。しかし、従来はダウンロードによる私的複製が広く権利制限されてきたことから大きな問題となっていませんでした。これが、ダウンロード違法化に伴いリーガルリスクが現実のものとなります。

そうなると、権利者の意向に場合によっては反するような、実態の調査研究が困難になり、ひいては不偏不党であるべき学問の発展が損なわれることにもなります。

また、報道についても同様の問題が起こります。報道については第四十一条における権利制限がありますが、第四十一条の権利制限は「時事の事件を報道する場合には、当該事件を構成し、又は当該事件の過程において見られ、若しくは聞かれる著作物」を複製する場合に限定されており、サイト等の取材過程においてダウンロードする著作物がこの範囲に限定されうるとは必ずしもいえないと考えられ、やはり、ダウンロード違法化によるリーガルリスクが生じます。

そうなると、権利者の意向に場合によっては反するような、実態の報道が困難になり、自由な報道による民主主義の実現にマイナスになります。

○送信可能化権で十分であるはず

後に詳しく述べる通り、ダウンロード違法化は一般ユーザーに無用な負担をかけるものです。しかし、一般ユーザーに売り手が負担をかけるのは、本当に最後の手段であり、そのためには他の方法による対策では不可能である、という、疑いの余地のない綿密な議論が示されなければならない、と私たちは考えます。

ダウンロード違法化の議論には、その前提として、違法にアップロードされたコンテンツというものが存在しているはずですが、日本の著作権法には、まさにこのような問題に対処するために創設された送信可能化権というものがあります。著作者の利益を大きく損なっていると言えるのは、個々のダウンロード行為ではなくアップロード行為であり、それは既にこの送信可能化権によって規制されているはずです。権利者はこれまで違法アップローダーに対して十分な法的対策を取ってきたと言えるでしょうか。私たちは懐疑的に考えています。

著作権法に求められているのは、一部の権利者が権利侵害を便利に主張できることよりも、一般ネットユーザーが著作物を変なかたちで妨げられることなく便利に利用できることであると、私たちは考えます。

■105ページの「第30条の適用範囲から除外する場合の条件」の項目

※この項目について私たちは反対の意見を提出いたします。理由は下記の通りです。

○適法公開の識別が困難である

今回の「ダウンロード違法化」が審議会に持ち込まれた経緯としては、「YouTube」や「ニコニコ動画」といった動画投稿サイト、いわゆる「着うた」の「違法」公開サイトなどのWebサービスサイトに、著作権(送信可能化権)を侵害するかたちで著作物が公開される場合があるため、と私たちは理解しています。

しかし、わが国の著作権法は無方式主義であり、必ずしも外観上権利表示を伴うわけではないのですから、外形上は権利侵害コンテンツなのか合法的な公開コンテンツなのか、分からない場合があります。また、ダウンロードしたファイルの内容は結局のところ入手するまでは分かりませんが、入手時点で違法となってしまうおそれがあります。 この状況において、「権利侵害コンテンツでありうるという情を知りつつ、そうであるとしてもそれを容認してダウンロードする」行為には、違法性の意識の可能性があるとして故意があると判断されうることになるでしょう。これは合法的に振る舞おうとする一般ユーザーにとって、合法的なダウンロード行為を幅広く萎縮するに足るリーガル・リスクになってしまいます。

また、権利者の許諾を伴う公開であるかどうかという問題も、ほぼ同様に考えられます。YouTubeというサイト1つをとっても、そこに公開されている動画が、合法的に公開されているかどうかは、ストリーミングで閲覧したりVideoDownloaderなどを使用してダウンロードしたりする一般ネットユーザーにとっては、自明ではありません。「違法アップロードであるかもしれないという情を知りつつ、そうであるとしてもそれを容認してダウンロードする」行為には、故意があると判断されうることになり、やはり合法的なダウンロード行為が幅広く萎縮されることにも繋がります。

○違法性判断に疑問のある裁判例が少なくない

また、私たちは、インターネットの仕組みや実際の利用態様を必ずしも適切に把握してしない裁判所・裁判官の判決等も少なくないと言わざるを得ません。実質的に権利侵害性の無いWebサービスに対しても、実態にそぐわない拡張的な解釈に基づいて権利侵害を認める判決が見受けられます。 たとえばMYUTAや録画ネットといったサービスサイトは、裁判所によって著作権侵害を認定されましたが、一般ユーザーにとっては、既に対価を支払って入手している著作物の複製物を、自分の必要とする利用形態に合わせて複製するだけのものであり、これが違法サイトでありそこからのダウンロードが違法であるとして権利侵害を認定されるというのは、著しく納得できないものであろうと思います。

○架空請求の踏み台にされるおそれがある

さらにおそろしいのは、ダウンロード違法化は、さまざまな手法で架空請求に用いられる可能性が高いという事です。たとえば、著作権者本人が同意して公開しているがその旨明示していないため、客観的には著作権侵害であるようなコンテンツをダウンロードした者に対して、第三者が(パケットスニッフィング等によって同者がダウンロードした事実を把握したうえで)違法ダウンロードであり対価を請求する、といった例が考えられます。また、そこまでしなくても、通常の振り込め詐欺同様、10000人に請求してほんの数人でも引っかかる人がいれば、それだけでも重大な問題です。

○「合法マーク」は不適切な対応である

「合法ダウンロードマーク」を付ければ識別できるという主張もあります。これは、同マークを売り込もうとする生野委員率いる日本レコード協会にとっては都合の良い議論であるものの、以下に示すとおり、数多くの問題点があります。

消費者およびコンテンツ提供者にとっては、ダウンロード時に本来不必要である確認を強いられたり、費用をかけて対応する(さらに同マークが同協会から「有償にて」提供されるものではないと信じたいところです)といったことが要求されます。このような、著作権法の制度趣旨にも合致しない、本来的に不必要な負担を強制できる正当な理由は、何もないはずです。

この合法マークというものが、コンテンツではなくサイトごとに設定されるということを前提としているのであれば、そもそも原理的にマークが設定できないサービスが多々存在します。YouTube、Wikipedia、各種ブログサービスといった、一般ユーザー投稿型のサービスは、この「合法マーク」市場から閉め出されることになります。これは事実上の排他的な取引慣行であり、独占禁止法やWTO各種条約に牴触するおそれがあります。 そもそも、国際的な法の整合性という観点で、この「合法マーク」は海外サイトには当然適用されるはずもなく、実質的に意味のないマークになるか、WTO各種条約に牴触するかのどちらかになることでしょう。

「合法マーク」は、法制化されないのであれば、「勝手合法マーク」を規制する事が許されませんから、いかなる違法サイトも「勝手合法マーク」を設置する事により、実質的に利用者が違法ダウンロードの故意が認められないことになり、意味のない法改正ということになります。

■59ページの「ファイル交換ソフトを利用した私的録音録画の現状について」の項目(疑問)

※この項目について私たちは疑問をおぼえます。理由は下記の通りです。

○不透明な「ダウンロードによる被害」

違法アップロードによる被害とされるものが、本当に実態を反映していると言えるのか、疑問を持たざるを得ない部分があります。違法サイトによる被害額とはどんなものであるか、十分な根拠をもって示し、それによって初めて議論の俎上に乗せることができるものであると、私たちは考えます。

統計データも、どちらかと言えば印象操作のために作られているものがあるように思います。たとえば、ファイル交換ソフトを「過去に利用していた」ユーザーの数は、「若い頃にロック音楽を好んで聴いていた」音楽愛好家と同様に逓増し、いずれは現役のネットユーザー総数に対して200%、300%といった数字になることでしょう。

そもそも、ファイル交換ソフトの利用に関しては、そもそもユーザー自身が発信者になるわけですから、既に公衆送信権を侵害しているもので、ダウンロード違法化の根拠とする合理的な理由にはなりません。

■71ページの「違法な携帯電話向け音楽配信からの私的録音の現状」の項目

※この項目について私たちは反対の意見を提出いたします。理由は下記の通りです。

○不透明な「違法サイト」の範囲

こちらも統計上の疑問ですが、ネット上でも批判の多いMYUTA事件判決のことを考えると、一般ネットユーザーの理解から乖離した「違法サイト」判断が、本報告書でまとめられているアンケートで行われているかもしれません。私たちが権利者団体であれば、MYUTAや録画ネットのようなサイトも「違法着うたサイト」「違法動画配信サイト」としてアンケート結果をまとめ、一般ネットユーザーは法規範意識に欠けると印象づけようとするでしょう。しかし、それでは本当の一般ネットユーザーの法規範意識を反映しているとは言えません。

■104ページの「検討結果」の項目

※この項目について私たちは反対の意見を提出いたします。理由は下記の通りです。

○潜在的な違法ユーザーという危険性

以上で議論してきたように、ダウンロード違法化は、一般ユーザーを潜在的に違法ユーザーとするものであり、これは国民の法規範意識にも合致するものでは言えず、法治国家として非常に好ましくない事態となります。これは、権利者団体にとって優先度の高い一般ネットユーザーを、恣意的に民事訴訟の対象とできたり、もし犯罪化されたら、警察組織にとって優先度の高い一般ネットユーザーを、恣意的に簡単に逮捕できたりする、便利な材料として機能することでしょう。それでは、公正な法運用に支障を来します。

潜在的違法ユーザーを大量に生み出すことになれば、その「違法ダウンロードを行ったかもしれない」という一般ユーザーの意識につけ込んで、偽の権利侵害を主張する詐欺や恐喝をする者が現われることになるでしょう。米国では既に現実化しています。ダウンロード違法化というのは、善人である一般ユーザーを詐欺師の餌食にするとっかかりにする、悪人に資する法改正となる可能性が低くありません。

○著作権者がインターネットで流通させていないのが一因

そもそもコンテンツの違法なアップロードは、著作権者がそのコンテンツを死蔵し、あるいはコンテンツホルダーの都合での市場分割によって、日本でのみ適法コンテンツが流れないといった、日本人の利益に適わない事態があるためである、という例も多いように思います。たとえばApple iTunes Store for Franceで販売されている楽曲が、iTunes Store for Japanでは販売されていない、といった事例が報告されています。このような問題が生じるのは、ロングテール、超流通といった経済的に合理的なモデルに移行できない一部コンテンツホルダーが、前世紀型コンテンツ販売モデルに依存しているためではないでしょうか。

○「一億総クリエイター」「一億総ユーザー」の理念と矛盾

そもそも著作権法がその目的とする創作性の拡大は、過去の著作物に多かれ少なかれ影響を受けるかたちで行われるものです。文化庁でもそのことを意識して「一億総クリエイター」「一億総ユーザー」といった理念を打ち出して、政策を立ててきたのではなかったでしょうか。

過去の著作物へのアクセスを狭めるという発想は、これらの高尚な理念に基づく従来の方針とは相反するものであるように、私たちには思えます。過去の作品に依拠した創作は、公表され私的使用の範囲をこえた時点で、いずれにしろその依拠への相当対価を支払うことになるのです。場合によっては原作品以上に市場に浸透し、原作者の利益にも資するような派生作品の誕生の可能性を、あえて潰してしまうような法制度は、日本の国益に適うものと言えるのか、私たちは懐疑的です。

■108ページの「i. 第30条の適用範囲からの除外」の項目

※この項目について私たちは反対意見を提出いたします。理由は下記の通りです。

○私的録音録画は補償か契約による対価を伴うという考えに反対します

オーバライド契約と補償金との二重取りを防ぐ必要がある、という本項目の趣旨そのものについては反対ではありませんが、本項目には、第30条による私的録音録画は補償か契約による対価のいずれかを必ず伴うという考え方が読み取れます。次の節以降で問題となる、タイムシフトやプレイスシフトが補償ないし対価が必要なものであるかどうかは、議論が尽くされていないと考えます。また、他の権利制限範囲の前段としての私的録音録画が対価を必要とされるかどうかについても、議論されていないと考えます(この点は補償についての意見として別に詳述します)。

その部分について反対し、文言の修正を求めます。

■108ページの「ii. 第30条の適用範囲から除外する場合の条件」

※この項目について私たちは反対意見を提出いたします。理由は下記の通りです。

○私的録音録画は補償か契約による対価を伴うという考えに反対します

最初の文の前段

「現状では、利用者と権利者が録音録画について直接契約することは、取引コスト等の関係でまだ事実上困難であり、現状では権利者は配信事業者との契約により、録音録画に対する対価を確保する必要があることになるが」

と、それに続く

「配信事業者が利用者の録音録画行為について一定の管理責任を負っているような事業形態に限定して第30条の適用を除外すべきである。」

は、全ての私的録音録画について補償か契約による対価のいずれかを必ず伴うべきであるという考え方を補わない限り、論理的な飛躍があります。この点、次の節以降で問題となる、タイムシフトやプレイスシフトが補償ないし対価が必要なものであるかどうかは、議論が尽くされていないと考えます。また、他の権利制限範囲の前段としての私的録音録画が対価を必要とされるかどうかについても、議論されていないと考えます(この点は補償についての意見として別に詳述します)。

その部分について反対し、文言の修正を求めます。

また、配信業者が一定の管理責任を負っている場合には、コピーネバーのケースもあり、この場合は私的録音録画の対価が契約に含まれません。

配信業者の管理が第2条20号で定義する技術的保護手段によるものである場合の迂回行為は、現行法においても第30条から除外されていますが、無反応機器の利用や、不正競争防止法における技術的制限手段の利用などによる私的録音録画を第30条から除外することについては、十分な議論が行われていません。

また、この場合は、現状においても利用者を受信契約違反を問うことができると考えられ、重ねて著作権法違反とする必要性は薄いのではないかと考えられます。

そもそも、本項目の趣旨は、補償と対価の二重取りの回避にあり、複製禁止ではないので、コピーネバーのケースについては、「第30条の適用範囲から除外する場合の条件」から外すよう、文言の修正が必要であると考えます。これは、続く「b レンタル店から借りた音楽CDからの私的録音、適法放送のうち有料放送からの私的録画」において、有料放送を第30条の適用範囲から除外することを見送っていることと整合性があるものです。

■116ページ~119ページの「第3節 補償の必要性について 3.補償の必要性の有無」の項目

※この項目について、私たちは、議論が尽くされていない現状で結論を出すことには「反対」いたします。理由は下記の通りです。

○私的録音録画は他の権利制限のために必要な手段

インターネットの普及と技術革新により、多くの一般の人々がネットユーザーとして、著作物としてのコンテンツを消費するだけではなく、大量に生成する時代となっています。

著作物の創造は、何もないところから生じるものではなく、むしろ既にある著作物の上に生じることが多いことはよく知られています。そのような著作物の利用は、原著作者の権利の及ぶものも少なくありませんが、第32条の引用や、第41条の報道目的の利用など、権利制限されているものもあります。さらに、引用などのない形でも、著作物を批評・論評するといった形での著作物の創造もあります。第41条の適用は「市民ジャーナリズム」といった言葉が一般化しつつある現在、一般のネットユーザーを担い手とする著作物として今後のさらなる増加が見込まれます。

このような利用は、147ページ~149ページ「参考資料2 ベータマックス事件の概要」において、米国の連邦控訴裁判所判決(148ページ)や連邦最高裁判所少数意見(149ページ)において「生産的利用」とされているものにあたると考えられます(連邦最高裁判決は、非生産的利用にもフェアユースを及ぼしたものであり、生産的利用がフェアユースにあたることを否定するものではない)。

配信コンテンツについて前述のような生産的利用を行う場合、それを録音・録画して固定する必要があります。利用の場合は、著作物全体の中から必要な箇所を切り出すために必要ですし、評・論評においても、特定箇所を繰り返し確認するなどの作業が必要になる場合があります。

職業的著作者やメディア企業のみが著作物を創造するのであれば、このような作業全体はそもそも私的録音録画とはいえない、ということになると思われますが、前述のように今や一般の人々が著作物を生成するようになったので、生産的利用の前提としての私的録音録画は無視できない存在となっています。このような場合の私的録音録画は、創造のサイクルを促進させるためには欠かすことのできない肯定的な意味を持っています。

著作権が制限されるべき創作のための活動があるという事実を無視して、それらの前提となる私的使用複製行為を、著作権の制限対象外とするということは、事実上、引用や報道の自由を奪うということになります。

しかしながら、本項目においては、もっぱら、職業的著作者やメディア企業の経済的利益にのみ着目する形で、「補償の必要性」の有無について検討を重ねており、議論を尽くされているとは考えられません。

○プレイスシフトとタイムシフトについての議論が尽くされていない

プレイスシフトとタイムシフトについての補償の必要性の議論については、将来についての不確かな予測を交えたものとなっており、議論が尽くされているとはいえないと考えます。特にタイムシフトは、他の目的と区別しがたいことから補償の必要性を肯定するという議論になっており、強引さを否めません。

そもそも、一般家庭の視点で評価するなら、TVを見られる時間に自宅に居る人に比べて、 自宅に居ないから録画して見なければならないという人が、特別に「経済的不利益」の代償として補償金を支払わされるべきというのは、明らかに間違った結論です。結論が間違っているのであれば、前提ないし議論の過程が間違っているというより他にないと考えます。

■123ページ~125ページ「第4節 補償措置の方法について」

※この項目について私たちは「議論が尽くされていない」とする意見を提出いたします。理由は下記の通りです。

○利用者観点からの問題点の分析がない

「1.補償金制度による対応」「2.権利者と録音源・録画源提供者との契約によ る対応」いずれについても、利用者観点からの問題の分析がなく、議論が尽く されているといえないと考えます。

----

※10/29改訂: 103ページおよび108ページを対象としていたコメントの対象となる項目(およびページ番号)が、適法サイトからのダウンロードではなく違法サイトからのダウンロードに関する部分となるのではないか、というご指摘をいただきましたので、その部分を初回版から訂正し、既に存在していた104ページ/105ページに対するコメントに統合しました。ご指摘ありがとうございました。

※11/1改訂: さらに108ページ「検討結果」を対象としていた項目について、対象を104ページに訂正いたしました。ご指摘ありがとうございました。

※11/2改訂: 虚偽の著作権表示の違法化について、「著作権者や権利団体が」鳥獣戯画の著作権を主張しているというのは正しくないのではないかという含意のご指摘がありました。確かに著作権は既に消滅しているので、著作権者は存在しないため、より正確に「著作権を主張する人や団体」と記述を改めました。ご指摘ありがとうございました。

著作者 : Atsushi Enomoto
最終更新日 : 2007-11-13 15:52:04

MIAU協力会員募集概要

【MIAUは協力会員の募集を開始いたします!】

我々MIAUは、ネットワークの自由の確保のために貢献できる団体を目指し、発起人一同、色々な作業を並行して進めています。

しかし、MIAUは現状、非常に大きな問題を抱えています。

そう、MIAUには人手が絶対的に足りないのです!

MIAUは、協力会員の募集を開始いたします。

ネットワークの自由のために、あなたの力を少しだけ貸して下さい。

1. 応募要件

以下の1~3を満たす方とします。

  1. ネットワークの自由を主張し擁護するための活動を行う意志があること
  2. 意見の多様性を認め、会員内に意見対立があっても理性的に討論に応じられること
  3. 他の政治団体、宗教団体等への勧誘を主目的とされないこと

2. 協力会員様にお願いしたいこと

MIAUの協力会員として登録された方には、MIAUから以下のお願いをさ せていただくことがあります(ウェブサイト、ML上での告知のほか、必要 に応じてMIAUの担当者から協力会員様に個別にご連絡させていただく 場合もございます)。

  1. MIAUがとりあげる問題に関するパブリッックコメントの提出
  2. MIAUがとりあげる問題に対する意見表明
  3. MIAU英語版ウェブサイトのコンテンツ作成
  4. MIAUがとりあげる問題についての情報収集活動、アンケートなどへの参加
  5. その他MIAUが開催するイベントへの積極的な参加、お手伝いなど

3. 会員規約

一般社団法人 インターネットユーザー協会への運営体制移行に伴い、協力会員規約を変更しました(関連記事はこちら)。
 運営体制移行後の「MIAU協力会員規約」についてはこちらを御覧下さい。

4. 登録手続

  • 協力会員登録用フォームに必要事項(氏名/ハンドルネーム、メールアドレス、自己紹介は必須)を入力の上、会員登録申請を行ってください。

5. 協力会員募集に関するFAQ

Q1.
実名は出したくないんですが、ハンドルネームでも協力会員になれますか?
A1.
ハンドルネームと連絡先さえご登録いただければ、協力会員になれます。(ただし、その場合、会員としての活動に一定の制約が出てしまうかもしれませんので、その点はご了承ください)
Q2.
未成年なんですが、協力会員になれますか?
A2.
事前に保護者の方に承諾を取ったのち、お申し込みください。保護者の方から脱会させる旨のご連絡があった場合には、当会側で事実確認ののち、脱会手続きを行うことになりますので、ご了承ください。
Q3.
特技もないしブログなどもやっていないんですが、協力会員になってもいいんですか?
A3.
上記「応募要件」を満たすのであれば、協力会員になれます。
Q4.
具体的に、何をすればいいんでしょうか?
A4.
上記「協力会員様にお願いしたいこと」をご覧下さい。何らかの技能・資格(経理スキル、プログラミング、法曹資格など)をお持ちの場合は、それを生かしたお願いを行わせていただくことがあります。
Q5.
会の意思決定には参加できますか?
A5.
大変申し訳ないのですが、機動的な活動を確保するため、協力会員様には基本的に本会からのお願いベースでの活動になります(もちろん強制ではありません)(活動についてのご提案、ご相談などは随時承ります。)
Q6.
会費はありますか?
A6.
協力会員については、会費はありません。会費を払って活動に協力していただけるという方には、正会員制度をご案内させていただいています。
Q7.
協力会員と正会員の違いは何ですか?
A7.
以下の表をご覧下さい
特 典正会員賛助会員協力会員
活動報告書(半期)-
各種レポート(不定期)-
調査データ提供-
有料シンポジウム参加費無料無料有料
勉強会参加費無料無料
(1口につき5人まで)
有料
会員用ML
申込方法こちらの入会申込み方法をご覧下さいこちらの入会申込み方法をご覧下さい登録フォームより
     
  • ※ 活動報告書、各種レポートは、従来のメールマガジンとは別のものです。
  •  
  • ※ 「調査データ」とは、今後行なうアンケートなどについて、事前に同意を得た範囲で、詳細な分析資料としてご提供するものです。
  •  
  • ※ 勉強会とは、主に首都圏で開催するもので、1-2ヶ月に1回程度、特定のテーマを決めて、講師をお招きして行うものです。
Q8.
協力会員からの退会は自由にできますか?
A8.
退会は自由です。また、一時休会も可能です。詳しくは会員規約をご覧下さい。
Q9.
会のバックには誰がいますか?
A9.
今のところ誰もいません(いるとすればインターネットユーザーそのものかもしれません)
Q10.
もっと細かいことが知りたい!
A10.
MIAU会則の「協力会員」の項目(第2章第2款)をご覧下さい。
著作者 : MIAU
最終更新日 : 2009-04-14 11:56:25

メールマガジンのバックナンバーアーカイブ

メールマガジンのバックナンバーを公開しました。

ページ上部の「メールマガジン」メニューからご利用ください。

著作者 : 中川 譲
最終更新日 : 2007-11-06 19:40:26

MIAU開発プロジェクト

MIAUでは、設立以来、数多くのご支持・ご支援の声を頂いております。皆様には厚くお礼申し上げます。

さて、MIAUでは先日、「文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会中間整理」に関する意見募集の実施についてというパブリックコメントについて、パブコメ案パブコメ素材パブコメの書き方という一連の記事を公開いたしました。これを受けて、多くの皆様からパブリックコメントを送られた旨ご連絡をいただいております。

しかし、これでもまだパブコメを書くのは難しいという方も多くいらっしゃることでしょう。より簡単にパブコメを作成し提出できるような、さらなる工夫が可能であるはずです。ネット上にはMIAUの他にも今回のパブリックコメントに関して、有用な情報を提供されている方が多くいらっしゃいます。協力をお申し出下さった方もいらっしゃいます。

皆様のお力を、MIAUはもっと活用すべきであると思います。しかし、今後の活動をふまえた会規約等を具体的に決める作業を入念に行う必要があり、正式な会員を募集しての活動に踏み出せずにおりました。

そこで、一部発起人[*1]が「非公式に」MIAU開発プロジェクトというものを立ち上げることになりました。

これは、MIAU外部の皆様のご協力を仰いで、パブコメ作成をより簡単にしようという短期的な目的のために立ち上げられたものです。ここに、具体的には以下のような目的があります:

  • パブリックコメント提出記録
  • 文化審議会資料の論点まとめ
  • パブリックコメント・ジェネレータの開発
  • 参考情報の収集

また、先日の私たちのパブコメ関連資料は違法サイトからのダウンロード違法化を中心としてまとめられたものですが、その他の論点(適法サイトからのダウンロード違法化)や私的録音録画補償金の対象拡大(いわゆる「iPod課金」)、またもう1件同時進行で募集されている私的録音録画補償金制度に関する(いわゆる「著作権の非親告罪化」の)パブリックコメントについても、ここでまとめることができればと考えております。

簡単なWikiベースのサイトに過ぎませんが、皆様の手で、パブコメ作成に有用な情報を集積できればと考えております。ご協力して下さる皆様をお待ちしております。

URL: http://dev2007.miau.jp/wiki/wiki.cgi

[*1] 現在、榎本が担当しております。

著作者 : Atsushi Enomoto
最終更新日 : 2007-11-02 13:01:38