ニコニコ動画公式チャンネルを開設し、第1回公式生放送を行ないます

このたびMIAUでは、株式会社ドワンゴ様のご厚意により、ニコニコ生放送内にて公式生放送番組「MIAU Presents ネットの羅針盤」と、MIAU公式チャンネル「MIAUチャンネル」を持たせていただくことになりましたので、ご報告いたします。MIAUチャンネルは3月26日よりオープンいたしました

また公式生放送第一回といたしまして、3月27日19時より、『大激論! 都条例改正案に賛成? 反対?』を放送いたします。

昨今、東京都青少年健全育成条例改正案を巡り、青少年の保護と表現の自由の狭間で、様々な議論を呼んでおります。この番組では、当団体代表理事の津田大介を司会に、条例改正案の是非を巡り、熱い議論を交わします。

番組URL

http://live.nicovideo.jp/gate/lv13294470

出演者(予定)

  • 津田大介(司会、メディアジャーナリスト、MIAU代表理事)
  • 東浩紀(批評家、東京工業大学世界文明センター特任教授)
  • 藤本由香里(評論家、明治大学国際日本学部准教授)
  • 白田秀彰(法学者、法政大学社会学部准教授、情報法・知的財産権法)
  • おがわさとし(漫画家、京都精華大学講師)
  • 田中秀臣(経済学者、上武大学ビジネス情報学部教授)
    (敬称略)
著作者 : MIAU
最終更新日 : 2010-03-26 22:26:45

知的財産戦略本部「インターネット上の著作権侵害コンテンツ対策に関するWG」に意見書を提出しました

MIAUは、3月15日の知的財産戦略本部コンテンツ強化専門調査会「インターネット上の著作権侵害コンテンツ対策に関するワーキンググループ」第4回会合に対して意見書を提出いたしました。

内容は以下の通りです。

「インターネット上の著作権侵害コンテンツ対策に関するWG」への意見書

2010年3月15日

一般社団法人 インターネットユーザー協会(MIAU)
代表理事 小寺信良
代表理事 津田大介
担当 八田真行

総論

1.現時点でのACTA草案を一刻も早く公開すべき。

一連の議事録を見ても明らかなように、今回のWGでの議論は、現在策定中の模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)の存在を前提に進められている。ACTAは国際条約であり、国内法の整備においても強制力を持つことになろう。しかし、ACTAは現在に至るまで一度も草案が開示されたことはなく、議論そのものについても完全な秘密主義が貫かれ、「リーク」という不自然な形でしか情報が外部に出てこないなど、策定のプロセスに重大な問題があり、国際的にも多くの批判を浴びている(※1)。すでに土肥座長も指摘しているように(※2) 、そもそも具体的な法文案がないものを前提に議論を進めるのは無理があると言わざるを得ない。議論する上での大前提として、現時点でのACTA草案を一刻も早く公開することを求める。また、ACTAに関する議論においては拙速な合意に至ることのないよう、強く要望するものである。

※1  たとえばhttp://www.eff.org/issues/acta

※2  http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/contents_kyouka/wg/internet/dai1/gijiroku.html

2.侵害コンテンツによる「被害」は過大に評価されているのではないか。

侵害コンテンツによって権利者が被ったとされる被害額を算定する際、現在は「ダウンロード数×コンテンツの平均小売単価」で計算しているように思われる。しかし、有体物の万引き等と異なり、情報財としてのコンテンツはコピーによってオリジナルの価値が損なわれることはなく、また仮に侵害コンテンツが強力な規制によって完全に消滅したとしても、現在のダウンロード数と同等の需要が生じる(=購入するユーザが増える)とは限らない。むしろ、規制強化に伴う利便性の低下から、正規ユーザの数が減少する可能性すらある。よって、この種の「被害」額は、現実に即した推計よりもはるかに過大に算定されていると言わざるを得ない。 そもそも、著作権や規制の強化が、コンテンツの売上増につながることを支持する研究はほとんど存在しない。逆に、WinnyのようなP2Pソフトウェアの存在が音楽ソフトの売上に全く影響しないこと、あるいはむしろプラスの影響を与えているとする研究は数多く存在する(※3)。コンテンツが本質的に「経験財」であり、享受してはじめて価値が分かるものであることを鑑みれば、この結果は何ら奇異ではない。このような見地からすれば、「被害」額の過大な見積もりに立脚してむやみに規制を強化することは、規制の実施に要するコストを急増させるのみならず、ユーザの「コンテンツ離れ」を助長し、今後のコンテンツ市場やその創造基盤に回復不能なダメージを与えるだけになるのではなかろうか。

※3 田中辰雄・慶応大准教授の研究など。

3.ユーザからの意見具申の機会を設けてほしい。

侵害コンテンツ対策は、法律的、経済的、そして技術的な要素が複雑に絡み合った問題であり、できるだけ様々なバックグラウンドを持った人々によって議論されるべきである。中でもコンテンツの主たる消費者である一般的なユーザは、こうした対策によって最も影響を受ける立場であるにも関わらず、現状では発言の機会を十分に与えられているとは言えない。よって、より一層の情報公開と、WGへのユーザ代表の参加、直接的な議論参加の機会を求めたい。これは、ユーザのニーズを探るという点でも、消費者の啓発という意味でも有益だと考えられる。

プロバイダの責任の在り方について

1.ノーティス・アンド・テイクダウンではなく、あくまでノーティス・アンド・ノーティスを基本とすべき。

プロバイダによる侵害対策措置として、現在WGでは米DMCA(あるいはACTA)に則ったノーティス・アンド・テイクダウン・システムの導入を検討しているようである。しかしノーティス・アンド・テイクダウンは、実際の侵害の有無を確認することなくプロバイダがコンテンツを削除することを強制するという点で、表現の自由やプライバシーといったユーザの権利を深刻に損なう可能性が高く、目的に比して手段としての適切性を著しく欠くものと考えられる。

これに対し、権利者から侵害の可能性について通知された場合、侵害者と目されたユーザにプロバイダが通知を転送すること、そしてユーザごとに通知転送の事実と、場合によっては一定期間の(通信の秘密に抵触しない範囲での)アクティヴィティを記録しておくことを義務づける「ノーティス・アンド・ノーティス」システムでは、悪質な侵害コンテンツの排除とユーザの自由の両方を確保することができ、より適切と言える。すでにこのシステムが導入されたカナダでは、通知されたうち71%のユーザが侵害コンテンツを自主的に削除するなど、大きな成果を挙げている(※4)。侵害者の大半が、そもそも自分が侵害していることに気づいていないか軽視している「カジュアルな」侵害者であることを考えれば、この数字は当然のものと言える。日本においても、第2回議事録で指摘されているように、日本レコード協会によるメールでの警告が有効に機能したという事例がある(※5)。もちろん、悪意ある常習的な侵害者に対しては、権利者は情報開示請求の後に記録を根拠とした強力な対応が可能である。コストの面でも、侵害通知とその転送(および記録)は大幅な自動化が可能であり、少なくともノーティス・アンド・テイクダウンに要するコストを著しく上回るものにはなり得ない。

このように、ノーティス・アンド・ノーティス・システムは、権利者の権利、ユーザの権利、そして仲介者たるプロバイダの責任制限という点で、最もバランスがとれた優れた措置と考えられる。

※4  http://arstechnica.com/tech-policy/news/2010/02/world-get-ready-for-the-dmca-actas-internet-chapter-leaks.ars

※5  http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/contents_kyouka/wg/internet/dai2/gijiroku.html

2.「スリーストライク法」の導入には反対。

一部報道によると、ACTAには、複数回警告を受けたユーザのネット接続を強制的に切断するという、いわゆる「スリーストライク法」に関する条項が盛り込まれる可能性があると言う。WGにおいても、すでにスリーストライク法に関する検討が行われているようである。スリーストライク法は推定無罪の原則に反し、国民の通信の自由や表現の自由を不当かつ容易に侵害することを可能とするものであり、インターネットを介した情報アクセスの重要性が今後ますます増すであろうことを考えても、容認できるものではない。 加えて、第2回議事録においてすでに森田委員が指摘されているように、WGで現在想定されているのはフランスの現行HADOPI法とも違い、一切の司法手続を経ることなくプロバイダが任意に侵害者の利用を強制的に遮断する、というもののようである。そもそもHADOPI法に関しても多くの批判がある(というより、フランス以外に賛同する国は存在せず、当のフランスにおいても議論が続いている)現在、このようなものの導入には全く賛同することができない。

アクセスコントロール回避規制の在り方について

1.アクセスコントロールでもコピーコントロールでもなく、「アップロードコントロール」を重視すべき。

問題とされるのは侵害コンテンツの広汎な流通であって、ユーザによるアクセス行為でもなければ、ユーザの手元におけるコピー行為でもないはずである。アクセスコントロールは、どれだけ技術的に洗練されたものであっても必ずユーザの利便性を大幅に損ない、正当で多様な利用をも困難とし、かつ国民の知る権利を阻害する。しかも、結局は侵害コンテンツの流通を止められないという意味で、権利者にとってさえ全く実効性がないものと言わざるを得ない。流出した後の対策を練るより、あくまで「蛇口を閉じる」ことに専心すべきではないか。 その観点からすれば、日本の法律は、すでに権利者に対し、アップロードコントロールに関して強力な「武器」を多く与えている。アクセスコントロール回避機器の頒布に関しては不正競争防止法、侵害コンテンツのアップロードに関しては著作権法における公衆送信化権で十分対応できるはずである。むしろ、権利者に対する日本の法的保護は国際的に見てもかなり手厚い水準であって、これ以上の規制強化はステークホルダーの誰にとっても全く資するものではない。権利者には法制度的な庇護ではなく、あくまで適切な権利行使を以て違法アップロードと対峙することを求めたい。

以上

注記

上の文書は、首相官邸サイトに掲載された知的財産戦略本部コンテンツ強化専門調査会「インターネット上の著作権侵害コンテンツ対策に関するワーキンググループ」第4回会合の配付資料2と同じものです。

当初3月18日にこのエントリーを公開する予定でしたが、手違いにより表示されておりませんでした。その後も新たなエントリーを上げている関係上、公開日時を当初の予定のまま公開させていただきます。

著作者 : MIAU
最終更新日 : 2010-06-09 02:01:05

「東京都青少年の健全な育成に関する条例」改正案についての意見書

現在都議会で審議中の「東京都青少年の健全な育成に関する条例」改正案(以下、「条例案」という。)について、以下、当協会の意見を述べます。

1. 既存の情報リテラシー教育の取組に逆行する

青少年インターネット環境整備法では、青少年有害情報の対象については、あくまでも民間に委ねるものとしています。しかしながら条例案は、地方行政が情報の選別に介入するものであって、青少年インターネット環境整備法の精神を踏みにじるものです。

条例案では、携帯電話における青少年のフィルタリングサービスの解除にあたっては、保護者に東京都規則の「正当な理由」に限定された解除理由の書面での提出を求めています。当協会では、保護者の選択の自由を認めない原則義務化に反対します。

保護者が書面に書くことができるほぼ唯一の「正当な理由」は、条例案にあるように携帯電話事業者の提供する履歴閲覧サービスを利用した利用状況の監督を行うことですが、閲覧履歴サービスを提供する事業者は一部に限られています。また、現行の履歴閲覧サービスは、利用者自身の確認を目的として利用者自身にパスワードなどを発行するものです。情報リテラシー教育上、計算機やサービス利用に必要なパスワードなどの認証情報は、自身で管理し、たとえ保護者などの監督者に対してといえども他人には教えないことはごく基本的な内容です。条例案は、これに反する行為を推奨するものです。

青少年のインターネット利用に関する啓発の指針内容は、インターネットの適切な利用によるメリットにも十分に配慮し、過剰に抑制的なものとならないよう、 バランスが取れたものにする必要があります。

2.青少年のインターネット利用への曖昧・不明瞭な権限がある

条例案では、「青少年がインターネットを利用して自己若しくは他人の尊厳を傷つけ、違法若しくは有害な行為をし、又は犯罪若しくは被害を誘発した」場合、行政機関が知事へ通報できるとするほか、その場合に知事が保護者に対し指導または助言、さらに説明や資料提出を求めたり、調査を行ったりすることができるとしています。

現行の青少年保護条例での説明や資料提出の要求、立入調査に関する権限の付与では、権限付与の対象を「知事が指定した知事部局の職員」や「知事が指定した知事部局の職員及び警視総監が指定した警察官」と限定し、調査の対象となる場所を条文に定め、調査等の時間帯と限定し、さらに職員や警察官に、規定の証票の携帯や提示を求め、調査の権限を「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」と限定しています。しかしながら、条例案では、権限を付与する対象を「知事」として実際に指導助言や調査などを行う公務員の範囲を限定していませんし、調査の範囲も限定していません。

条例案は、たとえば警察に、該当する行為を行った青少年の存在を知った場合に行動を起こす権限を与えるものになりえます。「違法」には、犯罪として処罰されることのない、違法着うたダウンロードなどの罰則のない著作権侵害、犯罪とはいえない誹謗中傷などもふくまれるでしょうし、「有害」となるとさらに曖昧です。青少年がネット上で自分の恋人の存在についてつぶやくと、「青少年を性的対象として扱う風潮に加担する有害行為」とみなされてしまうかもしれません。「自己若しくは他人の尊厳を傷つけ」も曖昧であり、「犯罪若しくは被害を誘発した」も、犯罪や被害との因果関係の証明まで行われた上でのものとなるとは読めず、曖昧なものです。

問題とされる行為の主体が青少年であることから、警視庁少年警察活動規程の対象とする範囲をインターネット上の青少年の活動へと拡大するものではないかとも思われますが、少年警察活動規則などで定める「不良行為少年」とは異なり、前例がない規定のためにその対象範囲が抽象的で曖昧だと当協会では考えます。とくに問題なのは、調査対象にインターネット上のサイトを運営する事業者なども含まれる可能性があるにもかかわらず、明示されていないことです。また、調査の内容によっては、当該青少年や、当該青少年と交流する機会のあった他の利用者の通信の秘密やプライバシー等が侵害される可能性もあると思われます。このまま、具体的な施行規則案や規程案の提示もなく都に広範な権限を付与することに対して、当協会では反対します。

3. ブロッキングは表現の自由の侵害である

当協会は、利用者の選択の余地なくインターネット上の対象コンテンツの閲覧を阻害するブロッキングを都が「児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物のまん延抑止に向けた」施策として推進することについて反対です。ブロッキングには、誤判定や、対象コンテンツ以外のオーバーブロッキングが不可避であり、憲法の表現の自由に含まれる情報へのアクセスの自由が侵害されます。また、ブロッキングの実現にあたっては、対象コンテンツに対するもの以外を含んだ全てのウェブ閲覧を監視する必要があり、憲法や電気通信事業法にある通信の秘密が侵害されます。とくに「青少年性的視覚描写物のまん延抑止」におけるブロッキングについては、違法ではないコンテンツに対する措置であり、利用者が青少年であるか否かを問わずに閲覧を阻害するものであることから、対象を現行条例の「不健全な図書類」「表示図書類」に相当する内容のものに限ると狭めてもなお表現の自由の侵害は重大であると言わざるをえません。

著作者 : MIAU
最終更新日 : 2010-03-13 20:06:07

私的録画補償金に関する、経済産業省の回答を受け取りました

MIAUでは、1月22日付のエントリー「私的録画補償金につきまして」にて、昨年11月19日に経済産業省へ向けて「アナログチューナー非搭載DVD録画機器の政令取扱について」という照会を行なった旨をお知らせいたしました。私的録画補償金管理協会(SARVH)が文化庁の「当該機器は補償金の課金対象である」との見解を照会によって得た経緯がありましたが、これに対する経産省の見解を求める内容です。

この照会に関して、文面を若干修正した上で改めて照会を行ない、経産省からの回答を得ることができました。当会といたしましては、経産省の見解を得たかったのはまさしく1月に公表した内容の通りだったのですが、「文書」の形で同省の公式回答を得るのが優先されるべきと考え、経産省からの調整の求めに応じることとしました。

修正後の照会文書は2月3日付で経産省へ送付し、回答書は3月2日付で受け取りました。内容は、下記の通りとなります。

なお、上記アナログチューナー非搭載DVD機器への私的録画補償金の課金をめぐっては、SARVHが東芝を訴えた裁判が東京地方裁判所で進んでおります。3月9日午後1時半から第2回弁論が予定されていますので、消費者の皆様、ならびにメディア関係者の皆様には、この裁判に対してより深い関心を寄せていただければ幸いです。

著作者 : MIAU
最終更新日 : 2010-03-04 14:05:44