「第2次児童ポルノ排除総合対策」(素案)に関する意見募集に、意見書を提出しました。

MIAUは、「第2次児童ポルノ排除総合対策」(素案)に関する意見募集に、下記の意見書を提出いたしました。

内容は以下の通りです。

2013年3月22日

「第2次児童ポルノ排除総合対策」(素案)に対する意見

一般社団法人 インターネットユーザー協会(MIAU)

【要旨】

ウェブサイト上で児童ポルノが提供される場合は、まず提供者の摘発と被害児童の直接の救済を優先し、次にウェブサイト等直接の配布元の削除を行わねばならない。インターネット上の通信を強制的に遮断するブロッキングが児童を保護するための手段としては間接的なものであることを踏まえ、全国民のコンセンサスが取れるよう万全の体制で取り組むことを望む。

【各論】

3 インターネット上の児童ポルノ画像等の流通・閲覧防止対策の推進における「④ ブロッキングの実効性向上に向けた諸対策の推進」(p.4-5)について

「サーバーの国内外を問わず」とあるが、わが国内のサーバについて削除が可能でない理由が不明である。もし存在するのならばどのようなケースが何件あるのかといった統計情報を国民に開示するべきである。児童の人権の迅速な保護を考えるのならば、アドレスリストの作成とISP各社の作業が必要なブロッキングではなく、司法の命により直ちに削除することが法治国家の姿である。また、海外のサーバについてのブロッキングには妥当性があるが、全世界的に児童ポルノ対策を行なっているにも関わらず、削除に応じない国があることはにわかには信じがたい。そのようなケースがどれくらいあるのかについても、具体的な数値を公開するべきであろう。

3 インターネット上の児童ポルノ画像等の流通・閲覧防止対策の推進 ④ ブロッキングの実効性向上に向けた諸対策の推進における「ⅰ ブロッキングの実効性向上に向けた環境整備」(p.5)および、「ⅲ 一般ユーザーに対するブロッキングの趣旨、重要性等についての広報・啓発」(p.5)について

「連携し、必要な環境整備に向けた取組を行う」とあるが、現在のブロッキングはあくまでも民間事業者の自主的な取り組みではなかったか。通信の秘密を侵害するブロッキングを、行政機関が支援するという構図を明快に打ち出すことは、憲法及び電気通信事業法に抵触する可能性があるのではないか。官庁指導の下に行われる規制は「自主的」ではない。官製の検閲を「自主的」と偽装しているのではないかといった不安をしっかり取り除くことこそが、一般ユーザへの広報・啓発活動に求められる根本であろう。

「5 児童ポルノ事犯の取締りの強化」(p.8)について

最も取り締まるべき児童ポルノ事犯は、児童を性的に搾取することであり、それは実際に児童を性的に搾取し暴力を振るっている人間の摘発を最優先することによって行われる以外あり得ない。にも拘らず、ここで取り上げられている児童ポルノ事犯は、インターネット上での公衆送信部分にのみ注力しており、優先順位が転倒しているのではないか。インターネット上での公衆送信は、取り返しの付かない児童への直接的な加害行為が発生した上での二次的な問題である。まず被害児童を直接の暴力から救うという、児童ポルノ法の根本の趣旨を失念しているとしか思えない。行政機関、特に警察機関のこうした現状認識は極めて遺憾である。カウントしやすい「ファイル送信者の数」を唱えて二次的な部分の規制を訴える前に、被害児童数やその程度、主な加害者の属性といった直接的な加害行為についての調査を示し、どうすれば防止できるのかを真摯に検討し、児童を直接の暴力から救うための取締り強化の施策を至急実施するべきである。

以上
著作者 :
最終更新日 : 2013-05-10 23:11:26