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プレスリリース

2010.06.15

6月7日付で、内閣府「児童ポルノ排除総合対策案への意見募集」へ意見を提出しました

MIAUは7日、内閣府が実施した「児童ポルノ排除総合対策案への意見募集」に対し、下記のパブリックコメントを提出しました。

意見

当団体では、ブロッキングについて反対し、削除の促進と摘発の強化を求める。

ブロッキングは児童ポルノとほとんどの場合無関係な全てのインターネット利用者の通信の秘密を侵害し、インフラとしてのインターネットの可用性を損なう。にもかかわらず、ブロッキングはどの方式でも、確信的な児童ポルノ掲載者・閲覧者双方にとって決定的な対応策となり得ない。しかも、捜査に先行してブロッキングを行うことは、ある種捜査情報を事前に漏洩することになりはしまいか。

「サーバーの国内外を問わず、画像発見後、速やかに」ブロッキングが行われる体制で、リスト管理団体の運営に透明性を持たせ、利用者の表現の自由に不当な影響を及ぼさないことが本当に可能か。海外でもリスト管理団体への監視は十分でなく、例えばイギリスではポルノ全般やヘイトスピーチもリスト対象とされており、その範囲の不明瞭さから、妥当性の検討は英国内においても重要な問題とされている。

児童ポルノの排除には、効果が限定的なブロッキングよりも 当該リソースについての削除の促進と児童ポルノ正犯の摘発のほうが重要である。にもかかわらず、本対策案ではブロッキングと比べその具体策が著しく欠けている。例えば、まず児童の人権侵害等が発生している緊急時において、事業者が画像の削除を行うことができる法的根拠を明瞭化することを検討案に追加してはどうか。児童ポルノの国別発信数の統計については諸説あるが、米国内のサーバがその大きな割合を占めていることは複数の統計で明らかである。国外については、各国ホットラインの連携のみならず、個々の事案についての当該国捜査機関への迅速な情報提供や捜査協力によって、迅速なテイクダウンが行える体制を整えていく必要があろう。

なお、携帯電話利用者の年齢認証やメッセージ交換サービス監視等、CGM事業者の青少年保護に向けた新たな取組を支援するにあたっては、利用者の真に有効な同意を取るための方法の検討や、通信の秘密についての権利意識の希薄化を招かない工夫を入れることも、同時に支援する必要がある。

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