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プレスリリース

2009.08.03

「インターネット地図情報サービスWG」第一次提言(案)作成協力のご報告

先日、MIAU理事の中川譲が総務省の「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」の「インターネット地図情報サービスWG」に参加し、第一次提言(案)の作成に協力しましたことを、ご報告いたします。

2008年8月5日、グーグル株式会社はGoogleストリートビュー(以下GSV)日本版のサービスを始め、日本のネットでは、サービスのあり方に対して賛否両論の議論が巻き起こりました。この問題は当初から論点が多く、またMIAU幹事の間においてもGSVに対する意見が分かれたこともあり、MIAUとして明確なスタンスを表明することはしませんでした。

しかし、議論が混乱状態にある中、まず早急に論点の整理と議論提起を行うことには十分な意義があると我々は考え、2008年8月27日に「Google ストリートビュー“問題”を考える」と題したシンポジウムを開催し、賛成派・反対派・法律家などの多様なパネリストをお迎えして議論を行いました。

幸いにもMIAUが開催したシンポジウムは、その後のGSVを巡る議論の叩き台の一つとなり、メディア各社から取材をいただきました。また、メディアに対してシンポジウムの模様を撮影した動画の提供も行ってまいりました。

MIAUが総務省から上記WGに招致されたのは、ユーザー側の団体としていち早くこのGSVの問題を公開の場で議論し、諸問題整理の一翼を担えたことを受けてのものと理解しております。

同WGの議論については、総務省から公式な第一次提言(案)が発表されております。これによれば、現状のGSVは、個人情報保護法などに鑑みて適法であるというコンセンサスが取れております。もちろん、例えば東京都の情報公開・個人情報保護審議会におけるグーグル社の発言内容に虚偽があったなどという点については問題があると考えますが、それは「グーグル社はプライバシーという観点から見ておかしい」のではなく、グーグル社のコーポレートガバナンスの問題ではないかと考えます。

GSV問題や今後の「プライバシー」概念の明確化や具体的な政策への反映については、MIAUとは別に、専門的な見地から行動や政策提言ができる団体が必要であると我々は考えています。例えば知的財産政策分野においては、ユーザーの「受け皿」ができたことにより、文化審議会にMIAUがヒアリング対象として呼ばれることになりました。今後そのような問題を調査する枠組みや団体が作られることで、プライバシーを巡る議論が活性化することを期待します。

そのうえでMIAUと連携できるポイントについては連携を行い、立場が違うポイントについてはオープンな議論を行うという形が作れれば、「多様な市民の立場を政策に反映する」という理想的な環境が実現するのではないかと我々は考えています。

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