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プレスリリース

「『子ども・若者ビジョン(仮称)』の作成に向けた意見」を提出いたしました。

MIAUは本日、内閣府が実施していた「子ども・若者ビジョン(仮称)」の作成に向けた意見募集に対し、下記の通り意見書を提出いたしました。

意見

施策⑥「メディアリテラシーの向上及び情報モラル教育の充実」及び⑧「子ども・若者を取り巻く有害環境への対応」について、理念③の「未来を切り開く社会の能動的形成者」を踏まえ、社会活動や生活全般での積極的なICT利用を前提とした上での内容とし、有害情報対策の敷衍よりも、国民自身による主体的な情報教育の重要さを訴える必要があると考える。

理由等

当団体では、インターネット利用者の視点で子どもたちのインターネット利用のリテラシー向上に努める独自の教育教材の開発を行い、学校への授業の採用をはかっている。また、各都道府県単位で携帯電話やネットのリテラシーに対する考え方などを調査している。

これらの活動を通して、現行の行政主導のアプローチでは規制色が強く、健全なICT利活用まで含めて制限してしまうような施策になる傾向が強いと感じている。地方行政の中では、ICTがインフラとして定着しつつある実態に対して、いまだそれ以前の、ICTが生活にとって必要なものでなかった時代の感覚が強く、子どもが健全かつ積極的にICTを利用するイメージを欠いているように思われる。

一方実際に子どもの教育に携わってみた体験では、子どもの誤った判断は、情報不足や、市中の間違った情報の影響によるものであり、子どもに必要なのは正確な情報の積極的な提供である。子どものICT利活用を抑制したり、情報発信を抑制することによって問題の発生を防ごうとするアプローチは、逆効果である。加えて、今後も急速に変化するであろう情報環境を踏まえれば、ともすれば画一的な内容に陥りがちな現行の情報モラル教育を、柔軟性と多様性を養う内容に変えていく必要がある。

また、子どもの情報リテラシー教育の機会にもっとも恵まれ、かつその責任を負うのは保護者である。しかし現実には、殆どの保護者がこのような教育に無関心であり、情報リテラシーに関しては放置状態にある。行政が行うべきは、子どもへの教育のみならず、保護者を中心とした国民全体に対して、主体的な情報リテラシー教育の必要性を説くことである。

なお、「有害環境」としてのネットの問題については、子ども・若者育成支援に関するワーキングチーム会合第6回の有識者発表や意見交換にもあるように、広範な規制は意味がなく、具体的に子どもに対して害をなした大人を適切に摘発していくべきと考える。

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