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プレスリリース

2007.11.21


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MIAU 設立発表会講演録(3)

設立記者発表会 閉会のあいさつ
Movements for Internet Active Users 発起人 中川譲(映画専門大学院大学助教)

映画大学院大学は、映画のプロデューサーを育てる学校です。

皆さんご存じかどうかわからないのですが、映画産業というのは実はすごく小さい産業なんです。どれぐらい小さいかというと、劇場での年間の売り上げは2,000億円しかありません。2,000億円がどれくらい小さいかというと、準大手の製薬会社1社ぐらいで軽々と超えかねないぐらいの、それくらいの小さい規模です。

さらにせつないのは、映画の興行収入のトップ10みたいな作品は、上位5%ぐらいなのですが、その辺の映画作品が売り上げ全体の5割以上を占めてしまうという、頭の痛い感じの構造になっています。毎年だいたい日本だと、200本ぐらいの映画が作られるのですが、トップ10の残り95%ぐらいはあまり知られることもなく、あまり儲かることもなく、いつのまにか消えてしまうという末路をたどっていく感じです。

ちょっとおもしろいのは、劇場の収入は2,000億円なのですが、劇場以外のビデオ、DVD、インターネットでのペイ・パー・ビューみたいなものだと、実は4,000億円ぐらいありまして、そちらのほうが多く売れていたりします。

映画産業というのは、旧態依然とした形をずっと守っているとどんどん死んでいくということを知っていながらあまり変わっていないという、とても悲しい構造をずっと引きずっています。

こうした構造は実は映画だけのものではなくて、ゲームやアニメーションも、産業の規模は、統計の数値を見ていただくとわかるのですが、結構小さいもので、また上位ほとんど何かが独占しているという構図になっていたりします。

そういういろいろすべてのコンテンツまたはロングテールという言葉を皆さんご存じかもしれないですが、ほとんどのコンテンツは同じような構造になっています。そういう同じような構造を持ったコンテンツを、幅広くコンテンツの創造、保護、活用を促進するという法律が2004年にできていて、「コンテンツ産業の振興」などという言葉も盛んに耳にするようになったんですけども……。

しかし、「それって具体的にどういうことなの?」という話になった時に、先ほどの映画の話で言えば、売り上げの5割ぐらいを持っていってしまうようなトップ10の作品をばんばん売り出して世界に持っていくという話なのか、それとも残りの95%ぐらいに光を当ててみて何か違うことを探してみようというアプローチなのか、そのどちらなのだろうか、というのが私の率直な疑問です。

皆さん想像がつくと思いますが、実験的な表現や新しい才能というのは、95%のよくわからない、誰にも知られないようなところから生まれてきて……まあ、多くは生まれないで死んでしまったりするのですけれど。でも、そうした混沌があることというのは、コンテンツ産業においてとても重要なのです。その混沌があることを支えるのが、新しい技術だと思うのです。

インターネットのおかげで、映画は多分新しい技術、特に配給などの新しいフィールドを持つことができました。インターネットが、残りの95%のよくわからない有象無象の混沌のようなものが元気に存在していける場になればいいなと、インターネットがその助けをしてくれればいいなと願っています。

われわれの団体も、よくわからない混沌が元気になっていけるような何かの一助ができていけたらいいな、そういうふうに考えております。

本稿については、Tatsuki Sugiuraさんにご尽力いただきました。誠にありがとうございます。

このテキストはMIAUの映像からの派生物です。よって映像のライセンスに準じて、Creative Commons3.0 by-nc ライセンスが適用されます。

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