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プレスリリース

青少年ネット規制法の成立について

時下、ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

既に複数のメディアで報道が行われておりますが、「青少年ネット規制法」(正式名:青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)が6月11日に成立致しました。

MIAUでは、素案の段階から法案の入手と検討を行い、疑問点を指摘すると共に、青少年ネット規制法案に反対する共同声明を発表してきました。また、議員の方々へのロビイング活動や、各種メディアへの執筆・シンポジウム等を通じ、当法案の問題点について一般の方々への周知も行って参りました。

本法律は、表現の自由、成人および青少年の知る権利、私生活上の自由、家庭の自治などを侵害する恐れのみならず、インターネットのエンドツーエンドの構造と両端での実装の自由がもたらしてきた創造的な発展を大きく損なう可能性が拭えず、依然として憂慮すべき事態であると考えております。さらに、本法律は、多くの国民、および多くの事業者に多大な影響を与えるものであったにもかかわらず、法案の国会提出から極めて短時間の審議で成立に至っており、政策決定の透明性に大きな問題があったと言わざるをえません。

しかしながら、条文や付帯決議、答弁等によれば、関係者各位の努力によって、MIAUを初めとする多くのインターネット・ユーザーが懸念を表明していた問題の幾つかは払拭され、最悪の事態は回避されたと考えております。ご支援ご協力下さった皆様に感謝致します。誠にありがとうございます。

なお、成立した法律には、3年後の見直しについての附則条項が含まれています。MIAUとしては、このような条項がなし崩し的な規制強化のきっかけとなることが無いよう、見直しにあたっては、国民各位が十分な言論を尽くした上で、廃止を含めた法律の是非や内容の検討が行慎重に行われるよう、今後も注視していく所存です。

MIAUは、表現の自由や知る権利、私生活上の自由、家庭の自治、さらにはインターネットの創造性を損なわないような形で、青少年の安全や健全な成長を阻害する危険への対策を研究・模索することは可能であると考えています。「危険なものを全て包み隠してしまうのではなく、何が危険かを教えていくことが危険への対処として妥当」との考えの下に、啓蒙活動や青少年への教育に対する具体的な対策を図ろうとの試みも、今後一層の充実を図って行く所存です。

皆様におかれましては、これからも変わらぬご指導ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

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