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プレスリリース

4K・8K 放送における「コピー禁止」の運用にかかる意見書を提出しました

MIAUは、主婦連合会と共同で、一般社団法人次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)に対し意見書『4K・8K放送における「コピー禁止」の運用について』を提出しました。

内容は以下の通りです。

2016年2月3日

一般社団法人次世代放送推進フォーラム
 理事長 須藤 修 様

4K・8K放送における「コピー禁止」の運用について

主婦連合会
一般社団法人 インターネットユーザー協会(MIAU)

謹啓 益々御清祥のこととお慶び申し上げます。

2015年12月25日に貴フォーラムのウェブサイト上で公表された次世代放送推進フォーラム 技術仕様高度広帯域衛星デジタル放送運用規定」(TR-0004)によりますと、4K・8K放送のコンテンツ保護に関する運用規定(表4-1)として、「月極め等有料放送」及び「コンテンツ保護を伴う無料番組」の録画自体を禁止する項目において「コピー禁止」が「T.B.D」とされていることを確認いたしました。これは一般的な4K・8K番組の録画禁止が検討されていることを示しています。

本来、テレビ番組の家庭内録画は適法な行為ですが、「コピー禁止」が運用されることになれば、放送中にテレビの前にいなければ視聴できないことになってしまいます。

「コピー禁止」は、不正利用を行うごく一部の悪質なユーザー対策としても有効でないばかりか、大多数の善良な一般視聴者が巻き添えとなって不便を強いられることになり、許されるものではありません。

また、独占禁止法の専門家によれば、特定の事業者間で共同して一般視聴者の録画を禁止できるよう合意し、互いに制限等することは、独占禁止法2条6項の不当な取引制限(カルテル)に該当するおそれがあるとのことです。また、貴フォーラムのような団体内部でカルテルの合議を行うことは、同じく独占禁止法で定める事業者団体の禁止行為(独占禁止法8条1号等)にも該当するおそれがあるとのことです。

以上をふまえ、無料放送および公共放送における4K・8K放送においても、現在の地上デジタル放送等と同じように、「コピー禁止」は「運用不可」としていただくことを、強く要望します。

無料放送および公共放送における4K・8K放送は国民の資産である電波を用いて行われる公共的なサービスであり、私ども一般消費者は大きな影響を受けます。消費者の利便性に関与する技術仕様の検討については、一般消費者を代表する団体を含む適切なメンバーによる、開かれた議論が必要であることを指摘させていただきます。

謹白
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