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プレスリリース

「著作権法施行令の一部を改正する政令(案)」及び「著作権法施行規則の一部を改正する省令(案)」に関する意見募集に意見を提出しました

MIAUは、文化庁が実施した「著作権法施行令の一部を改正する政令(案)」及び「著作権法施行規則の一部を改正する省令(案)」に関する意見募集に意見を提出しました。

内容は以下の通りです。


2018年12月9日

文化庁著作権課御中

「著作権法施行令の一部を改正する政令(案)」及び「著作権法施行規則の一部を改正する省令(案)」に関する意見

一般社団法人インターネットユーザー協会

(1)図書館等に類する外国の施設(新法第 31 条第3項、新令第1条の4、新規則第2条の2関係)

絶版等資料(絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な資料)に係る著作物の自動公衆送信について、絶版等資料には著作権保護期間を過ぎパブリックドメインになったもの、また公共予算を使って作成された調査研究、論文、公共データなども含まれる。このような著作物については、政令で定める要件を満たさなくてもアクセスできるようなしくみが求められ、このことを害さない規定とすることが求められる。

(2)視覚障害者等のための複製又は公衆送信が認められる者(新法第 37 条第3項、新令第2条第1項第2号、新規則第2条の3及び第2条の4関係)

今回の法改正では「視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人」に法人格を有しないボランティア団体等も含むとされ、このこと自体は大変評価できることである。しかしその法人として認定される条件に「② 視覚障害者等のための複製又は公衆送信を適正に行うために必要な著作権法に関する知識を有する職員が置かれていること」が政令で定められるとされている。しかし法人格を持たないボランティア団体に専門的な知識を持つ職員を常勤で置くことは難しい。ついてはこの要件は必須とせず「著作権法に関する知識を有するアドバイザーに相談できる環境を設けること」などとするのはどうか。また本件はアクセシビリティに関わる事項であるため、文化庁が積極的に相談を受ける窓口を作るなどの工夫も必要と思われる。

(6)授業目的公衆送信補償金に関する指定管理団体等(新法第 104 条の 11~17、新令第 49条及び第 57 条の 10~15、新規則第 22 条の4、第 22 条の5及び第 24 条関係)

今回の法改正は教育現場での著作物の円滑かつ適法な利活用を促進する観点から、「一定の異時公衆送信」について補償金を支払うことで個別の権利処理を行うことなく教育に著作物を利用できる規定を設けた。しかしこれでは講義に用いたスライド資料や補足資料をウェブサイトで配布することにも補償金がかかることとなる。このような資料には著作権法上の引用など本来補償が必要ないものも含まれる。

ついては補償金額が必要な範囲に限られ、かつ妥当な水準に設定されている必要があり、そのためには金額の算定根拠が広く公開され、かつ定期的な金額かどうかの監査を政令で義務付ける必要がある。この監査には利害関係者や学識経験者だけでなく、補償金のもととなる授業料や税金を支払う消費者団体の参加を政令で義務づける必要がある。

共通目的事業に関する意見聴取については「その内容について学識経験者の意見を聴かなければならないこと」とあるが、学識経験者だけでなく、補償金のもととなる授業料や税金を支払う消費者団体の意見も取り入れることを政令で義務づける必要がある。

「補償金関係業務の執行に関する規程の届出や会計書類の提出等については、紙の書類だけでなく、ディスク等を提出することによっても行うことができることを規定する」とあるが、届出や書類提出を紙やディスクで提出させることは指定管理団体の管理コストを持ち上げ、そのコストは補償金に上乗せされる。ついては届出や書類提出はインターネットで受け付ける手段を設けることを政令で義務付ける必要がある。またその際にはインターネットで受け付けた届出や書類提出を行った学校には補償金の値段を割り引くなどの措置を行い、手数料コストの削減を促進する政令とする必要がある。

(8)TPP整備法の施行に伴う規定の整理(新令第 66 条)

TPP整備法の名のもとの法改正であるにも関わらず、CPTPP/TPP11に含まれない、大義のない安易な著作権保護期間延長が行われることに強く抗議する。著作権保護期間の延長は表現の自由を不当に制限し、イノベーションや新たな創作を阻害し、著作物の利用について萎縮効果をもたらす。ついては今後は拡大しつづける著作権の強化を行わないこと、そして著作権保護期間延長による弊害を緩和する、米国のフェアユース規定を範とした柔軟な権利制限規定の拡充などを目指すべきである。

以上

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