8月6日 MIAU・CCJP共催『MIAU Presents ネットの羅針盤』生放送のお知らせ

このたび、MIAUとクリエイティブ・コモンズ・ジャパンは、きたる8月6日に、下記のニコニコ生放送を行うことになりました。皆様ふるってご視聴ください。

※今回の生放送は、0時からの回と20時からの回が、別々の内容で行われます。ご注意ください。

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Happy Hacking Contents!
ネット・ネイティブ時代のクリエイティブワーク

デジタル技術の発達によって、コンテンツクリエイティブの方法論は大きく変わった。デジタルデータとして販売されるコンテンツはユーザーの利便性を飛躍的に高めたが、単に鑑賞するだけに留まらず、二次利用や二次創作への利用も容易になるという一面も持ち合わせている。しかしながら、既存コンテンツを利用して作品を再創造するという新しい表現手法に対して、現代の社会や法はうまく対応できていない。

今回の「ネットの羅針盤」は、Creative Commons Japanとの共催で、二夜連続放送。8月6日午前0時からは映画「Rip!リミックス宣言」をノーカット上映。そして6日20時からはこの映画を題材に、コンテンツの再創造サイクルを検証、これからのルールはどうあるべきかを議論してゆく。

<番組概要>

【番組名】MIAU Presents ネットの羅針盤『Rip!リミックス宣言 ノーカット上映』
【日時】8月6日(金)0時00分~
【出演者】
●司会
小寺信良(コラムニスト、MIAU代表理事)
【放送URL】
http://live.nicovideo.jp/gate/lv23230617
【日本語字幕作成】

http://donnerlemot.com/

【番組名】MIAU Presents ネットの羅針盤『Happy Hacking Contents!』
【日時】8月6日(金)20時00分~
【出演者】※敬称略
●司会
小寺信良(コラムニスト、MIAU代表理事)
●出演者
福井 健策(弁護士)
VJ MASARU(映像アーティスト)
杉本 誠司(株式会社ニワンゴ 代表取締役社長)
境 真良(国際大学GLOCOM客員研究員 / 経済産業省国際戦略情報分析官 情報産業担当)
【放送URL】
http://live.nicovideo.jp/gate/lv23230903

著作者 : Keisuke Katsuki
最終更新日 : 2010-08-05 23:26:24

模倣品・海賊版拡散防止条約 (ACTA) 条文案 インターネットユーザーによる日本語訳を公開しました。

MIAUでは4月21日に公開された経済産業省及び外務省より模倣品・海賊版拡散防止条約(以下ACTA)の英文の条約案を日本語に翻訳する「ACTA翻訳プロジェクト」を立ち上げました。 MIAU会員及びTwitterでの呼びかけに賛同くださった方で翻訳に取り組み、co-ment上でパブリックレビューのために公開しておりましたが、この度、その成果をHTMLにまとめて下記URLで公開いたしました。

模倣品・海賊版拡散防止条約 (ACTA) 条文案 インターネットユーザーによる日本語訳

http://miau.jp/acta/

今後もより正確になものになるよう、引き続きメンテナンスを行っていきますので、みなさまからのフィードバックをお待ちしております。

参考

第9回関係国会合 (スイス:ルツェルン・ラウンド) の概要が経済産業省より下記のサイトで公開されております。
http://www.meti.go.jp/press/20100702001/20100702001.html

著作者 : Keisuke Katsuki
最終更新日 : 2010-07-27 03:29:55

「一般用医薬品の通信販売の再開を求める要望書」を提出しました。

MIAUは、一般社団法人 eビジネス推進連合会および特定非営利活動法人 日本オンラインドラッグ協会と共に「一般用医薬品の通信販売の再開を求める要望書」を長妻昭厚生労働大臣ら宛に提出しました。

これは、現在行われている一般用医薬品のネット通信販売規制は、その決定までの過程がやや性急に過ぎ、満足な議論や理解を得られていないのではないかとの視点から、上記2団体との共同提出に至ったものです。

医薬品の取り扱いが安全第一であるべきなのは言を待ちませんが、インターネットの利便性との兼ね合いの中で、より良い制度設計を検討すべきではないかと当会は考えます。

厚生労働大臣 長妻 昭 殿
内閣府特命担当大臣(消費者)荒井 聰 殿
内閣府特命担当大臣(行政刷新)蓮 舫 殿
内閣官房副長官 古川 元久 殿
内閣官房副長官 福山 哲郎 殿
自由民主党 幹事長 大島 理森 殿
自由民主党 政務調査会長 石破 茂 殿
民主党 幹事長 枝野 幸男 殿
民主党 政策調査会長 玄葉 光一郎 殿
平成22年7月9日

一般用医薬品の通信販売の再開を求める要望書

一般社団法人 eビジネス推進連合会 会長 三木谷 浩史
一般社団法人 インターネットユーザー協会 代表理事 津田 大介
特定非営利活動法人 日本オンラインドラッグ協会 理事長 後藤 玄利

「一般社団法人eビジネス推進連合会」、「一般社団法人インターネットユーザー協会」及び「特定非営利活動法人日本オンラインドラッグ協会」は、下記の事項を強く要望いたします。

  1. 要望の内容

    一般用医薬品の通信販売の再開に向けた取組みを積極的かつ早急に進めていくことを要望します。

  2. 要望の理由
  3. 一般用医薬品の通信販売を行う薬局・店舗では、これまでも、安全・安心に供給する仕組みを自主的に整備してまいりました。しかし、昨年6月1日に施行された厚生労働省が定める省令により、従来適法に行われていた一般用医薬品の通信販売は、“対面の原則”という不明確かつ不合理な理由のもと、一部の例外を除き全面的に禁止されてしまいました。

    一般用医薬品が通信販売で購入できなくなったことにより健康の維持や体調管理に不安を訴える切実な声が事業者に多数寄せられており、販売継続を求める署名も150万を越えております。また、「ハトミミ」に寄せられた第1回集中受付月間(本年1月18日~2月17日受付)の意見のうち約4割が、医薬品の通信販売規制の問題です。こうした事態からは、規制導入の決定過程で国民的な議論が不足していたのではないかという疑念が拭えません。

    国民の健康の維持を図る観点からは、全ての国民に平等に安全に医薬品が届けられることが前提でありますが、消費者の上記の声を踏まえると、通信販売を含めた形で供給体制を構築しない限りそのことは達成できないということが明らかになっています。したがって、通信販売の問題はこのまま座視してよい問題でなく喫緊の課題であります。

    安全確保のための業界ルール案は昨年の舛添厚生労働大臣(当時)主催の検討会でもすでに示しております。一刻も早く安全かつ平等に医薬品を供給するための制度設計について科学的根拠に基づく議論を開始し、所要の法令整備を早急に図ることが必要不可欠です。

著作者 : MIAU
最終更新日 : 2010-07-20 20:39:31

ネットリテラシ読本Ver1.3.1(全6セクション)のパワーポイント版を公開します

MIAUは、法や条例による安易な規制よりも、青少年に対するネットリテラシー教育がまず先にあるべきとして、インターネットリテラシ読本「“ネット”と上手く付き合うために」を公開して参りました。

今回はより学校の授業で使いやすい形態として、パワーポイント版を公開いたします。PDFの本文から若干追記された部分もありますので、Ver1.3.1とさせていただきます。PDF本文の改訂は、7月を予定しております。

なおこの教材は、クリエイティブコモンズ「表示・継承」ライセンスによる公開となります。利用される皆様は、複製・配布など商用非商用に限らず、無償でご利用いただけます。また携帯電話の利用環境にあわせた改訂も自由に行なっていただけます。ライセンスの詳細は、読本の奥付をご覧ください。

【変更履歴】

  • パワーポイント版として新規作成
  • §6にチェーンメールに関する記述を追加

なお読本に関するご意見ご要望がありましたら、下記アドレスまでお送りください。より良い教材とすべく、フィードバックへのご協力よろしくお願いいたします。

E-mail: literacy◎miau.jp (◎を@に変えてください)

著作者 : MIAU
最終更新日 : 2010-06-15 19:40:50

6月7日付で、内閣府「児童ポルノ排除総合対策案への意見募集」へ意見を提出しました

MIAUは7日、内閣府が実施した「児童ポルノ排除総合対策案への意見募集」に対し、下記のパブリックコメントを提出しました。

意見

当団体では、ブロッキングについて反対し、削除の促進と摘発の強化を求める。

ブロッキングは児童ポルノとほとんどの場合無関係な全てのインターネット利用者の通信の秘密を侵害し、インフラとしてのインターネットの可用性を損なう。にもかかわらず、ブロッキングはどの方式でも、確信的な児童ポルノ掲載者・閲覧者双方にとって決定的な対応策となり得ない。しかも、捜査に先行してブロッキングを行うことは、ある種捜査情報を事前に漏洩することになりはしまいか。

「サーバーの国内外を問わず、画像発見後、速やかに」ブロッキングが行われる体制で、リスト管理団体の運営に透明性を持たせ、利用者の表現の自由に不当な影響を及ぼさないことが本当に可能か。海外でもリスト管理団体への監視は十分でなく、例えばイギリスではポルノ全般やヘイトスピーチもリスト対象とされており、その範囲の不明瞭さから、妥当性の検討は英国内においても重要な問題とされている。

児童ポルノの排除には、効果が限定的なブロッキングよりも 当該リソースについての削除の促進と児童ポルノ正犯の摘発のほうが重要である。にもかかわらず、本対策案ではブロッキングと比べその具体策が著しく欠けている。例えば、まず児童の人権侵害等が発生している緊急時において、事業者が画像の削除を行うことができる法的根拠を明瞭化することを検討案に追加してはどうか。児童ポルノの国別発信数の統計については諸説あるが、米国内のサーバがその大きな割合を占めていることは複数の統計で明らかである。国外については、各国ホットラインの連携のみならず、個々の事案についての当該国捜査機関への迅速な情報提供や捜査協力によって、迅速なテイクダウンが行える体制を整えていく必要があろう。

なお、携帯電話利用者の年齢認証やメッセージ交換サービス監視等、CGM事業者の青少年保護に向けた新たな取組を支援するにあたっては、利用者の真に有効な同意を取るための方法の検討や、通信の秘密についての権利意識の希薄化を招かない工夫を入れることも、同時に支援する必要がある。

著作者 : MIAU
最終更新日 : 2010-06-15 19:40:47

6月3日、『MIAU Presents ネットの羅針盤』第2回生放送を行います

MIAUは6月3日に、ニコニコ生放送で『MIAU Presents ネットの羅針盤』第2回を放送いたします。

今回は、3月5日に内閣が国会へ提出した「放送法等の一部を改正する法律案」(衆議院審議経過参議院審議経過)を取り上げます。この法案は、近年総務省を中心に議論が続けられてきた「通信・放送の融合」のための施策として、テレビ放送・有線放送・「電気通信役務利用放送」などの放送ごとに並存してきた放送関連法をまとめるものです(総務省による法案概要PDF)。その一方で、通信と放送の境界が曖昧になっている現在、法案での「放送」の定義如何によっては、利用者が増え続けているニコニコ生放送やUstreamなどのユーザー発ネット“放送”に対しても内容規制が加えられかねないとの懸念も指摘されています。

心配する前に、まずは法案の内容を知ることから始めよう――ということで、この法案を追いかけていらっしゃる弁護士の日隅一雄氏と、法案を審議する立場の民主党参議院議員・藤末健三氏をゲストにお迎えします。ネット規制への懸念も含め「問題」と言える点が法案にあるのか、そして「通信・放送の融合」の向かうべき先はどこなのかを考えます。

番組サブタイトル

「どうなる放送法改正! ネット放送の行方は?」

番組URL

http://live.nicovideo.jp/gate/lv18321720

日時

6月3日 21:00~23:00

出演者

  • 日隅一雄氏(弁護士)
  • 藤末健三氏(民主党参議院議員)
  • 庄司昌彦(GLOCOM講師・主任研究員、MIAU理事)
  • 司会:津田大介(メディアジャーナリスト、MIAU代表理事)
著作者 : MIAU
最終更新日 : 2010-06-01 18:07:54

「第3次男女共同参画基本計画策定に向けて(中間整理)」に対する意見を提出しました

MIAUは12日、内閣府男女共同参画局が実施した「第3次男女共同参画基本計画策定に向けて(中間整理)」に対する意見を提出いたしました。

内容は以下の通りです。

第8分野「女性に対するあらゆる暴力の根絶」

「メディアにおける有害情報の氾濫等情報化の進展による新たな課題も発生している」(p.35)とあるが、そもそも有害情報と呼ばれる情報の種類は多様であり、一般論としてその氾濫がどれだけ女性に対する暴力と認めることができるのか不明である。さらに「インターネットや携帯電話等の急速な普及により、これらを介した新たな形態の被害が次々と発生してきた。」 「インターネットや携帯電話の普及により、女性に対する暴力は多様化してきている」(共にp.35)とあるが、「新たな形態の被害」「多様化」の内容が文章のこの時点であきらかにされていないため、根絶の対象が無限定に広がり、検証不能な新メディア悪玉論に陥っている。

そもそも、「インターネットや携帯電話の普及により、女性に対する暴力は多様化してきている」(p.35)との指摘に関しては、インターネットという技術が、女性に対する暴力のみ多様化させることはあり得ない。もしインターネットが何らかの暴力を増幅させ多様化させているのならば、男女を問わず問題としなければならない。男女共同参画を志向する以上、男性に対する暴力の根絶をもうたわないのは不完全である。平成12年度の総理府男女共同参画室による『男女間における暴力に関する調査』においても明らかな通り、暴力は男性から女性へ一方的に行われるものではない。そもそものこの分野の題名からして、不適当であると考えられる。

第8分野「女性に対するあらゆる暴力の根絶」

「児童ポルノの根絶に向けて、国民運動の実施、インターネット上の流通防止対策の推進や閲覧防止対策の検討等総合的な対策を検討・推進するとともに」(p.38)「インターネット上の児童ポルノ画像の流通防止対策を推進するとともに、ブロッキングの導入等閲覧防止対策を検討する」(p.40)とあるが、広く流通する児童ポルノに対応が必要であるとの考えは妥当であると考えられるものの、閲覧防止対策を行うことを検討する以前に、まず徹底した発信者への対応を行うことが必要である。国民の通信を恣意的に遮断するブロッキングについての法的根拠は現行法上一切存在せず、電気通信事業法や日本国憲法等との兼ね合いの中で様々な問題が考えられるが、発信者への対応と被害児童へのケアは、現行の児童ポルノ法・児童福祉法等において100%の対応が可能である。検討ではなく、現行法の下での即座の児童ポルノ対策を行い、暴力の根絶に邁進するべきである。

第8分野「女性に対するあらゆる暴力の根絶」

「こうした性・暴力表現については、インターネットの普及等を通じて発信主体が社会一般に拡大していることに加え」(p.40)とあるが、そもそも、「女性をもっぱら性的ないしは暴力行為の対象として捉えたメディアにおける表現」とされているものの多くは、社会の中で主流の表現ではなく、マイナーなものである。そして、そのようなマイナーな志向の表現がマイナーながらも生き残るのは、人々の多様なライフスタイルの反映であり、インターネットは多様な人々をつなぐことを可能にした存在でしかない。「多様な生き方を可能にする社会システムの実現」を目指すべき男女共同参画基本計画の策定にあたって、性に関する領域で暴力の概念を拡大してインターネット等の新メディアを悪玉としてあげつらう論議は、全体の方針に合致しないのではないか。

第12分野「メディアにおける男女共同参画の推進」

「インターネット等を利用した新たなサービスが次々に生まれ、メディアが多様化する中、<略> 女性や子どもの人権を侵害するような違法・有害な情報の流通が社会問題となっている」(p.52)とあるが、インターネットという技術が女性や子供の人権「のみ」を侵害するような違法・有害情報の流通を促すことは論理的にあり得ない。男女共同参画社会においては、老若男女を問わず人権を守っていくことが肝要となると考えられる。女性・子供のみを特筆することは避けるべきである。

著作者 : MIAU
最終更新日 : 2010-05-13 03:32:24

「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第二次提言(案)に対する意見を提出しました。

MIAUは10日、総務省が募集していた、「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第二次提言(案)に対するパブリックコメントを提出いたしました。内容は、下記の通りです。

1. フィルタリングの普及改善に関して

意見概要

フィルタリングの普及改善にあたっては、保護者の自律的な選択を妨げるべきではないと考える。

詳細

P.7の以下の部分について

さらに、携帯電話フィルタリングの解除の抑制については、危険性を十分に認識しないことによる安易な解除を防ぐための取組が求められる。例えば、解除申告を受け付ける際に保護者に対する危険性の説明と明確な意思確認を行うプロセスを導入するといった解除受付方法の改善などが具体的には考えられる。また、解除理由の実態を踏まえ有効な対策を検討していくことも必要である。加えて、保護者になりすました子どもによる解除申告を防ぐための取組が求められる。例えば、解除申告を受け付ける際に、保護者に、架電での対応を含め、直接意思確認を行う対応や、保護者の本人確認書類の原本の確認等の対応が考えられる。

このような形でフィルタリング解除を抑制する場合、保護者の自律的な解除の選択を、手間を煩わせるような形で抑制することは望ましくない。あくまでも、不用意な解除を抑制する程度に止めるべきである。

2. 「ミニメール」内容確認に関して

意見概要

「ミニメール」や類似の呼称のサービスにおける内容確認の取組の拡大には反対する。内容確認が行われるメッセージ交換は、信書に見えてはならない。 中間の事業者の存在を可視化するべきである。

詳細

「ミニメール」内容確認について、P.16で以下のようにまとめているのは、法的な整理としてはそのとおりであろう。

この点については、「ミニメール」が通信当事者の範囲について特段の前提条件なく提供されている場合、内容確認を追加的に行うに際しては、利用者から有効な同意を取得することにより、通信の秘密の保護との関係で問題なく実施することができる。 また、サービス提供に先立ってCGM運営者が通信当事者として加わることについて利用者からの明確な同意が得られている場合も、内容確認を行うことができると解される。

しかし、「ミニメール」は、そもそも「メール」様のものがCGMサイトに閉じているという意味において「ミニ」であり、個人間のメッセージ交換という性質はメールと変わるところがない。そして、電子メール自体、紙の信書を模したメッセージ交換の形式である。通信の秘密の保護というのは、単なる法律上の制約ではなく、利用者にとっては基本的人権のひとつである。

大規模なユーザ数のCGM運営者による「ミニメール」内容確認は、たとえ利用者の同意を得ていようとも、利用者にとって重要な権利の制約であることにかわりはない。そして、この内容確認の影響を受けるのは、成長過程にある子どもたちである。多くの子どもたちが日常的に利用するサービスにおいて、個人間のメッセージのやりとりを運営者が内容確認することは、子どもたちに内容確認が行われることを前提するということを習慣づけてしまう可能性がある。これは、原則と例外を逆転するものであり、通信の秘密や信書の秘密についての権利意識を大きく歪めることになりかねない。実際、P.13に

要件4)通常の利用者であれば同意することがアンケート結果等により合理的に推 定されること →(当てはめ)CGM 運営者が通信当事者とならない場合の「ミニメール」内 容確認について、利用者の包括同意は推定されにくいため、個別のサービス について利用者啓発等を通じて、同意が合理的に推定される環境を整備して いく必要がある。

とあるが、このような利用者啓発それ自体が、ネット上のメッセージ交換一般について通信の秘密の保護を期待してはならない、という誤った印象を子どもたちに植え付ける危険性がある。

現実に、「ミニメール」を通じた児童被害がある以上、内容確認自体を否定することはできないが、少なくとも、個人間のメッセージ交換への内容確認が通信の秘密や信書の秘密についての権利意識の低下につながらないようにする必要がある。そこで、「ミニメール」という、信書メタファーを用いることを止めることを当団体では求める。 具体的には、内容確認をするのであれば、「メール」という文言をサービスの名称から外すべきである。 内容確認が行われるメッセージ交換は、信書に見えてはならない。 中間の事業者の存在を可視化するべきである。

たとえば、利用者がアバターを用いてコミュニケーションをするCGMサイトでは、事業者のみが所持することができる「執事」アバターに伝言を依頼し、執事が相手に伝言を伝える、といった形式をとることが考えられる。このような形をとることは、さまざまな発達段階にある子どもたちを含めた利用者から、実効性のある内容確認についての同意を得るという意味でも必要があると考える。

3. 利用者年齢認証の確実化について

意見概要

年齢情報の携帯電話事業者からCGM運営者への第三者提供にあたっては、ひとたび同意すれば携帯電話事業者が適格と認定した全てのCGM運営者に第三者提供が行われる包括的な同意ではなく、CGMサイトごとに同意・非同意を選択できる必要がある。

詳細

P.22の以下の部分について、

青少年の利用者や保護者の視点を踏まえれば、自ら提供した個人情報については的確に把握・管理していくことが望ましいものの、 年齢情報の提供先主体であるCGM運営者の適格性や情報の活用方策について個別に判断することは困難であること、提供先主体の範囲は不断に変わり得ること等から、実運用上は携帯電話事業者等による管理に委ねられる部分が多くなるため、提供先主体の選定基準(適格性の判断基準)等については、なるべく明確かつ透明であることが望ましい。例えば、携帯電話事業者等としては、顧客からの照会に対して、当該契約端末の利用者年齢情報の提供先主体である CGM 運営者の名称を開示する等の取組が考えられる。

「自ら提供した個人情報については的確に把握・管理していく」ことと、携帯電話事業者等が提供先の適格性判断を行い基準を明確かつ透明とすることは別の問題である。しかし、自らが提供した個人情報の的確な把握・管理を青少年の利用者や保護者が行うことができるようにするためにどのような取組が行われるのか、提言の中では明確になっていない。むしろ、上記の引用に続く以下の部分

また、年齢情報を CGM 運営者に対して第三者提供する際には、個人情報保護法第23 条(ガイドライン第 15 条)に基づく同意取得を行うことが求められる。同法は、第三者提供の事実や情報の種類、第三者提供の手段方法等の事前通知等を要件として、オプトアウトの手続も定めているが、 (ア)携帯電話事業者等にすれば、年齢情報の取得時に利用者と接触することから、その際に第三者提供の同意を取得するのが合理的であること、 (イ)利用者視点を踏まえればオプトインの方がより丁寧な対応であることから、オプトインによる同意取得がより望ましいと考えられる。 具体的に求められる対応は、年齢情報を取得する対象により異なる。新規契約や端末の機種変更等、青少年利用者又は保護者が販売店等に来店する場合、利用者年齢情報の取得等について説明するとともに、第三者提供に関する同意を取得することが考えられる。他方、一部携帯電話事業者に見られる利用者年齢情報を既に登録済みの青少年利用者又は保護者に対しては、第三者提供についての同意を取得する必要があるため、利用者本人に対して行う手法(例:携帯電話事業者が顧客端末に送付する SMS での案内等)や保護者に対して行う手法(例:請求書同封物を通じた案内等)等何らかの手法を講じる必要がある。また、利用者年齢情報を取得していない既存の契約者に対しては、機種変更等に先だって直ちに情報を取得するかどうかについては、費用対効果や利用者の利便性等に配慮しつつ検討を進める必要があると考えられる。

では、議論が、携帯事業者からCGM運営者への年齢情報の第三者提供についての、一括の同意取得が前提とされていて、個別のCGMサイトごとについての、青少年の利用者や保護者による的確な把握・管理を想定していないように思われる。しかも、新規契約や機種変更などのさいの来店の場合についてはオプトインの可能性があるが、既存契約者などについての同意取得のためのSMSでの案内や請求書同封物での案内は、オプトインではなくオプトアウトを想定しているように思われる。

しかしながら、青少年の利用者や保護者による自らが提供した個人情報の的確な把握・管理のためには、少なくともサイト単位での同意ないし非同意が可能でなければならない。

技術的には、例えば携帯電話事業者がOpenIDプロバイダーとなり、各CGM事業者がOpenIDコンシューマとして、OpenIDの属性交換のメカニズムで年齢情報の取得を行おうとするのであれば、携帯電話の利用者は個々のCGM事業者ごとに、年齢情報の提供について同意ないし不同意を選択することができる(従来、携帯電話でのOpenIDの利用は困難と見られてきたが、認証基盤連携フォーラム 実証実験ワーキンググループの2010年3月26日付の報道発表によれば、携帯電話からも問題なくOpenIDに基づく認証を行えることを実証したとのことである)。この場合は、端末を操作する携帯電話の利用者のみが同意ないし不同意を選択するため、利用者である青少年の保護者の関与はないが、OpenIDによる年齢情報の提供に先立って店頭等での同意取得(この場合の同意は、年齢情報提供システムのデータベースに利用者の情報を格納するための基本的な同意であり、第三者提供の包括的な同意ではない)を行うのであれば、個別サイトについての選択を行えない状態よりはましである。

また、本取組が青少年の福祉犯被害の防止のための機能制限のための年齢認証の確実化を目的としていることをふまえると、必要のない段階での携帯電話事業者からCGM運営者への年齢情報の第三者提供は行われるべきではない。CGMサイトに利用者として登録するものの全てが、福祉犯被害で問題となるメッセージ交換の機能を利用するわけではない。登録したまま実質的な利用のない利用者や、運営者の提供するゲームや電子コミック等のコンテンツを享受するのみにとどまる利用者に対してまで、携帯電話事業者の所有する年齢情報を必要とするような形は、行き過ぎである。ゲームや電子コミック等の内容に関する年齢認証が行われる場合でも、正確な年齢が必要だとされる社会状況ではない。

従って、すでに述べたようなCGMサイト個別の年齢情報の提供についての同意確認は、例えば利用者が最初に利用者間のメッセージ交換(送信ないし受信)を行おうとしたタイミングで行われるべきであるし、仮に、CGMサイト個別の同意確認ではなく店頭等での同意取得をもって包括的に第三者提供に同意したとする場合でも、実際の個人情報の提供は、サイト登録時ではなく利用者間のメッセージ交換利用開始時とするべきである。

また、この提言では利用者年齢認証の実装方法の詳細には言及がないが、現状の多くの携帯電話向けCGMサイトでの利用者識別方式を考慮すると、契約者固有ID をキーとして、携帯電話事業者からCGM運営者に利用者年齢情報を渡すような単純な方式を想定しているようにも思われるが、そもそも契約者固有IDによる利用者識別は、現在のCGMサイトが、携帯電話キャリアのいわゆる公式サイトに限定されずオープン化したものであることや、携帯電話端末の機能の高度化を考慮すると、そのような方式にはセキュリティやプライバシー保護上の問題があるので、行われるべきではないと考える。

4. ライフログ活用サービスにおける対象情報の個人識別性について

意見概要

位置情報は比較的短期間で個人が推定可能になる場合があることを明示すべきである。

詳細

P.41に

イ 行動ターゲティング広告等への適用 一般に、行動ターゲティング広告等においては、利用者の興味・嗜好の分析に必要な、(ア)ウェブページ上の行動履歴(閲覧履歴、購買履歴等)や(イ)位置情報と、行動履歴の取得及び広告等の配信に必要な、(ウ)クッキー技術を用いて生成された識別情報や(エ)携帯端末の識別に必要な契約者固有IDのみが必要であり、特段の事情がない限り、これらの情報自体は個人識別性を具備しない。よって、通常、行動ターゲティング広告等の事業者は個人情報取扱事業者には該当しないと考えられる。 ただし、他の情報と容易に照合して特定の個人を識別できる場合には、(ア)~(エ)の情報は個人情報に該当する。例えば、コンピュータ上に保存された(オ)氏名等の契約者情報のデータベースと(ア)~(エ)の情報とを容易に連係して用いることができる場合にあっては、(ア)~(エ)の情報は個人情報に該当する。 (表2は、行動ターゲティング広告等の事業者が取得し得る情報に個人識別性が認められるかをまとめたものである。)また、他の情報と容易に照合して特定の個人を識別できる立場で、第三者から(ア)~(エ)の情報を取得した場合(いわゆる「名寄せ」)にあっても、(ア)~(エ)の情報は個人情報に該当する。 また、(ア)ウェブページ上の行動履歴(閲覧履歴、購買履歴等)が相当程度長 期間にわたって大量に蓄積された場合等、個人が容易に推定可能になる可能性があ る。また、(イ)位置情報も、相当程度長期間にわたって時系列に蓄積された場合 等、個人が容易に推定可能になる可能性がある。

とあり、位置情報に個人識別性がないとされている。しかしながら、位置情報は、例で示されているような契約者情報との連係や長期間の蓄積がない場合でも、たとえば住宅地図とのマッピングを行うことによって、比較的短期間で個人が容易に推定可能になる可能性がある。

現在、iPhoneやAndroidといったスマートフォンでは、行動支援型のアプリケーションが急速に普及しており、それらのなかには、ソーシャルアプリケーションとして、利用者の端末とのインタラクションの時のみならず、携帯電話端末の電源が入っている限り、頻繁に位置情報等を事業者に送信するものがある。さらに、こうしたアプリケーションのうちの少なくないものは広告収益に頼る無料アプリケーションであり、アプリケーション内で表示される広告が行動ターゲティング広告である可能性もある。行動支援型のソーシャルアプリケーション内の広告が行動ターゲティング広告である場合、取得可能なデータは通常のWebブラウザ上の行動ターゲティング広告に比べてはるかに詳細なものとなると考えられる。

従って、位置情報については、他の「個人識別性を有しない」情報よりも、より容易に個人識別性を有する可能性があるむね、注意喚起すべきである。

5. DPI技術を活用した行動ターゲティング広告について

意見概要

DPI技術を活用した行動ターゲティング広告については、推奨しないむね明記すべきである。

詳細

提言案は、DPI技術を活用した行動ターゲティング広告を行うこと自体については、中立的であろうとしているようにも思われるが、しかし、P.56で

従来、DPI 技術は、帯域制御のための要素技術として利用されてきたが、現在、ファイアウォールでは防ぎきれないインターネット上の脅威に対する防衛手段のための要素技術として、より洗練された行動ターゲティング広告のための要素技術として、先進的な利用が検討されており、今後の展開が期待される技術である。

とした上で、結論としてP.58で

 よって、DPI 技術を用いた行動ターゲティング広告については、各事業者は、透明性の確保に向けて運用に当たっての基準等を策定し、これを適用することが望ましい。

としていることは、ややもすると研究会がDPI技術を活用した行動ターゲティング広告を推奨・推奨しているようにもみえる。しかしながら、法的整理によっても明らかなように、DPI技術を活用した行動ターゲティング広告は通信の秘密の侵害であり、正当業務行為でもなく違法性阻却が認められない。また、「ミニメール」内容確認における福祉犯被害防止といった大義名分があるわけでもない。

利用者視点を踏まえるならば、DPI技術を活用した行動ターゲティング広告は、利用者にとって利益があるとは言い難いものである。DPI技術を活用した行動ターゲティング広告に同意することによって利用者がISPに支払う回線利用料が無料になる、あるいは大幅に低廉化する、といった、利用者の目に見える利益がある場合であればともかく、例えば、ISPの収益が増加することでISPの経営が安定するので利用者にも利益がある、といった水準の説明が受け入れられるものとは考えにくい。

従って、少なくともISPの既存の接続サービスにDPI技術を活用した行動ターゲティング広告を導入するような形は、推奨しないむね明記すべきである。そして、運用基準等の策定においては、DPI技術を活用した行動ターゲティング広告を前提とする新規の接続サービスを基本とするような形に限定するべきである。

著作者 : MIAU
最終更新日 : 2010-05-13 03:22:22

5月13日に、ニコニコ動画でMIAUチャンネル生放送を行ないます

急な告知で恐縮ですが、MIAUは明日13日の21時から、ニコニコ動画MIAUチャンネルにて『Monthly MIAU GAZINE!!! 5月号』の配信を予定しております。この番組では、MIAUの3人の理事が出演し、最近の活動について解説します。

ご都合の付く方はご覧いただけると幸いです(タイムシフト予約も可能です)。

日時

2010年5月13日(木) 21時開始予定(1時間ほど)

出演者

  • MIAU代表理事・小寺信良
  • MIAU代表理事・津田大介
  • MIAU理事・庄司昌彦

配信URL

http://live.nicovideo.jp/gate/lv16855633

MIAUチャンネル

http://ch.nicovideo.jp/channel/ch109

著作者 : 谷分 章優
最終更新日 : 2010-05-12 20:22:01

「模倣品・海賊版拡散防止条約(Anti-Counterfeiting Trade Agreement, ACTA)」翻訳プロジェクトを立ち上げました

4月21日に経済産業省及び外務省より模倣品・海賊版拡散防止条約(以下ACTA)の条約案が公開されました。

経済産業省
http://www.meti.go.jp/press/20100422001/20100422001.html
外務省(PDFに直接リンクしておりますのでご注意ください)
http://www.mofa.go.jp/policy/economy/i_property/acta_consolidated_text.pdf

英文の条約案は公開されましたが、担当省庁である経済産業省・外務省ともに日本語訳を公開する予定はないということでした。これを受けてMIAUでは、より多くのインターネットユーザにACTAについて知っていただき、またその条文について議論をしていただくために、英文の条約案を日本語に翻訳して公開する「ACTA翻訳プロジェクト」を発足いたしました。

先だって正会員向けメーリングリスト及びTwitter上で参加者をつのり、正会員非会員問わず翻訳作業を進めてまいりましたが、以下のセクションについて翻訳の途中経過を公開いたします。

第1章 冒頭規定・定義
(個人情報の取扱に当たってはプライバシーの保護に気をつけること、本条約で使用される文言の定義を規定)
http://www.co-ment.net/text/2473/
第2章 知的財産権の執行のための法的枠組
(知的財産権の権利者が実効的に権利を行使できる環境を整備するために、各国が整えなければならない法制・体制等について規定)
一般的責務
http://www.co-ment.net/text/2463/
第1節 民事執行(知的財産権侵害に対して権利者が行使できる民事手続を規定)
http://www.co-ment.net/text/2462/
第2節 国境措置(知的財産権侵害物品の輸出入の税関での取締について規定)
http://www.co-ment.net/text/2471/
第3節 刑事執行(知的財産権侵害に対して適用される刑事手続を規定)
http://www.co-ment.net/text/2460/
第4節 デジタル環境における知財執行(インターネット上の著作権保護等について特別に規定)
http://www.co-ment.net/text/2461/
第3章 国際協力
(各国の税関等執行当局間の情報共有、連携、技術協力等について規定)
http://www.co-ment.net/text/2467/
第4章 執行実務
(統計情報の収集・分析等、各国の執行当局において行うべき実務について規定)
http://www.co-ment.net/text/2474/(現在前半部分のみ)
第5章 制度上の措置
(締約国会合の開催、事務局の設置等について規定)
http://www.co-ment.net/text/2475/
第6章 最終規定
(本条約への加盟条件、条約の効力発生・改正等について規定)
http://www.co-ment.net/text/2476/

上記翻訳は途中経過であり、まだ誤りなどを含んでいる可能性があります。co-mentというアノテーションサービスを用いて公開しておりますので、皆様からのフィードバックをお待ちしております。またソーシャルブックマークやTwitter (ハッシュタグは #actajp ) でのコメントも募集しております。

また現在も翻訳作業にご協力いただける方を募集しております。お手伝いいただける方はinfo@miau.jpまでメールにてお知らせください。より多くの皆様のご協力をお待ちしております。

追記
(2010.5.4) : 第2章第2節 国境措置 の仮訳をアップロードしました。
(2010.5.5) : 第1章 冒頭規定・定義の仮訳をアップロードしました。
(2010.5.5) : 第4章 執行実務 の前半の仮訳をアップロードしました。
(2010.5.8) : 第5章 制度上の措置 の前半の仮訳をアップロードしました。
(2010.5.8) : 第5章 制度上の措置 の後半の仮訳をアップロードしました。
(2010.5.9) : 第6章 最終規定の仮訳をアップロードしました。
(2010.7.27) : HTML版を公開しました。今後はHTML版をメンテナンスしていきます。
著作者 : Keisuke Katsuki
最終更新日 : 2010-07-27 03:19:31
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